5-2 投資マネー

 

2つの経済活動

①「実物経済」・・モノとお金の交換

 

②「マネー経済」・・金融商品(株、債券)に投資して、お金を運用すること。

このお金を「投資マネー」と呼ぶ。

モノ・サービスの受取りはない。

 

元々は①実物経済の潤滑油→今では規模が上回る

 

★外国為替取引

「実需筋」1割・・両替目的

「資本筋」9割・・利益目的 → 巨額資金が短期間で動く

 

資本筋・中心プレイヤー:「機関投資家」(=法人投資家)

cf個人投資家

 

銀行、保険会社、投資信託、年金基金、ヘッジファンド

 

国内市場が成熟

→ 企業が海外進出。マネーも同じ

①株価上昇しない

②金利が低い

成長する国に集まる

 

経済発展には「資源」の需要↑

投資マネー流入。

 

資源価格↑高騰させる。

03~08原油価格↑

大量の投資マネー →暴落

 

 

★「キャリー取引」とは

低金利通貨を借りて、高金利通貨で運用

 

★リスク分散

各国の年金基金

 

国内外の株、債券に広く投資

→「国際分散投資」

 

★二つの経済は、お互い影響を与える

 

①実物経済 → ②マネー経済

経済指標の結果を材料に動く

 

②マネー経済 → ①実物経済

個人資産↑

消費↑ ・・「資産効果」

 

 

 

 

2 国のマル。国力とは「経済力」「軍事力」「政治力」の3つ

 

※「国のマル」の記事を読むときは3つの側面

①経済力 ②軍事力 ③政治力

のどの側面かに注目。

「国のマル」重要人物

日本。アメリカ。中国。

(ベテランのEU、新人のBRICS)

 

国の欲望とは

「国民全体を安全に豊かにすること」

 

国力とは

「経済力」「軍事力」「政治力」の3つ

 

「経済力」・・GDP規模、外貨の獲得力、貿易黒字、通貨の価値

 

「軍事力」・・軍備(核兵器の有無。軍事費。戦闘機・軍艦の保有状況、軍人の数。)
地理的優位性

「政治力」・・国連の常任理事国、首脳会議(サミット)への参加状況

同盟関係、歴史上の経緯、経済、軍事をたてにした交渉力

 

・今のところアメリカが3つにおいてNo1だが、中国が台頭。

・国はこの3つを高めようと競い合っている

 

 

★「経済力」・・相互依存

日と中が米にお金を貸して(米国債を買って)、米はそのお金で日と中からモノを買っている。

08年に中が日を抜いてトップに。

★「軍事力」・・米の主要産業

米:官民あげて軍事国家。日本が公共工事で土木国家だったのと似ている。

不景気になると道路を作っていた。

中:核兵器保有。軍事費は米・英についで3位。

他国に介入はしないが、チベット、台湾の国内問題に口出しされるのを嫌う。

 

★「政治力」・・目に見えない力

明確に数字で表現できない。

国連常任理事国(5)・・米・・露・英・仏 (国際紛争の解決。国際平和の維持)

サミットG8・・・米・英・伊・加・独・仏・露 (経済・政治問題の協議)

常任理事国入りは、日本、外務省の長年の悲願。

中国は認めたくない。

しかし中国はG8入りは特に姿勢を示していない。

 

日米中のこのキーワード3つに注目。

①「GDP↑」

②「失業率↓」

③「経常(貿易)収支↑」

 

 

 

引用:

  
 
 

1 日経は「世界経済・欲望ドラマ新聞」

日経の読み方

・「ヨコ読みする」→各紙面を関連付けて読む。

「3つのマル」国、企業、個人を意識。

・ 日経は「世界経済 ・欲望ドラマ新聞」

 

経済は欲望を数値化したもの

・ 全部は読めないと割り切る。

・ 主役級の「重要人物」と自分の興味のある「登場人物」をチェック

 

 

引用:

 

 

 

 

 

 

5-1 グローバル経済

 

「グローバル経済」とは

①ヒト、②モノ、③カネ、④情報、が

国を超えて移動すること

 

90年代から加速した3つの理由

理由① 政治的理由 冷戦がおわる

 

共産主義・・「計画経済」

「市場経済」

 

★市場経済とは →「自由に決められる」

企業・・生産量、価格

個人・・買うモノ、量

 

理由② 先進国の成熟化、新興国の発展

 

③IT(情報)、貿易(モノ)の発展

関税(輸出入時の税金)↓

WTO(世界貿易機関)加盟国↑

FTA(自由貿易協定)↑

新興国:「世界の工場」→「世界の市場」

 

★「購買力」とは → モノを買う財力

09新車販売台数

1位 中国1300万台

2位 アメリカ 1000万台

 

★多国籍企業とは

→ 複数の国で生産や販売をしている企業

世界が一つの市場。国境がない。

 

M&A(Merger & Acquisition合併・買収)
→ 競争力を高めるため

 

★金融市場とは

→資金のやりとりをする市場

金融不安や株安が瞬時に広がる

 

 

 

4-10 財政政策の提案

 

「経済政策のレバレッジ比率」

国費(財政支出)で住宅エコポイント(エコ住宅の補助制度)を行なった場合

事業規模はエコポイントが理由で増えた住宅の建築・改築工事費全体。

→約10倍と試算しているが過大。

 

世論、マスコミは失業率上昇など事あるごとに

政府の「経済対策」の必要性を報道。

→短期的な解決のみになる。

 

提案①

中長期的に経済活力を上げる。(デフレ脱却)

各世代の負担と受益バランスが不公平にならないように。

 

提案②

予算編成の無駄を取り除く。

まだ概算要求では各省庁のエゴが目立つ。

 

歳出の優先順位を付け、緊急に必要でない歳出を削る。

これでも財源が足りない場合は、やむを得ず消費税をあげる。

 

 

 

 

 

4-9 世界各国との比較

 

財政の健全さ

「単年度の財政収支額」の名目GDP比

(今年の貯金額の給料比)

OECD(世界協力開発機構)発表

財政収支(対GDP比)

 

日本 △8%

ギリシャ △15%

ユーロの基準。△3%(赤字3%)までに抑える。

 

IMFの財政見通し

先進国は改善されるものの日本だけ戻らない

2015年もマイナス7%

 

 

「債務残高(借金)」の名目GDP比

(ローン残高の給料比。)

 

欧米諸国をはるかに上回る最悪の水準。

190%

2015年には250%と予想。

 

08年金融危機以来

各国は税収不足で景気回復のため経済対策を行なった。

日本は深刻。

 

社会保障費3割、国債費(元利払い)2割、地方交付税交付金2割で
7割は使い道が決まっている。

自由に使えるお金は3割。

 

世代間の不公平感が拡大。日本を捨てて海外に移住する人が増える可能性も。

 

 

 

 

 

4-8 国債消化の危機

 

国債発行残高 740兆円

普通国債 610兆円

財投債  130兆円

(財政投融資 特別会計国債)

 

国内投資家保有率90%を超えている。

利回りが低いので海外投資家は買わない。

 

★国債所有者の内訳

・銀行44%

・生保・損保20%

・公的年金 11%

・日銀 8%

・家計 5%

 

★銀行が国債を買う理由

①他に貸出先を見つけにくい

手元に資金が余っていて、他の運用先を見つけにくい

 

②低金利で資金調達→低利回りでも利益が出せる

預金は低金利。(預金者につける金利はほとんどゼロに近い)

 

低コストで資金調達できる。

企業や個人に貸し出すより安全で、利回り1%だとしても確実に利益を出せる。

今後毎年40兆円規模で毎年国債を発行すると7年しか余地がない。

→家計資産が買い支える限界。

 

・企業預金を元に銀行が国債を買う

・企業が直接国債を買う

という流れも。

 

「国債消化の危機」は5~10年後に来る

→長期金利はじわじわ上昇。

 

不景気なのに金利上がる「悪い金利上昇」で経済にダメージ。

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(ひとこと)

国債危機は2015年~2020年くらいか。

住宅ローンの金利も上がるんだろうな・・。

 

 

 

4-7 日銀と国債

 

日銀の「国債引き受け」

新たに発行される「新規国債」を、日銀が国から「直接」買うこと。

禁止

 

日銀が資金供給を行なうため、国債を買う場合

いったん発行されたものを、銀行から買わなければならない。

 

「債券市場」で買われること(消化)が規則

「国債市中消化の原則」という。

 

→日銀が政府のためにどんどん紙幣を印刷してしまい

財政規律が守られなくなるため。

 

ハイパーインフレ、キャピタルフライト(資本逃避)の恐れもある。

 

国債が売れなくなって金利上昇。

景気が悪いのに金利が上がる「悪い金利上昇」。

 

日銀が発行した紙幣は「価値のあるもの」と引き換える義務がある。

「国債、地方債」など信頼度の高い資産。

「物価の安定」のためお金をやたらにすらないこと。

 

 

戦時中、政府は軍事費調達のため国債を大量発行して日銀に直接買わせていた。

戦後1945~49 ハイパーインフレ

モノの値段が100倍になった。

 

・例外

日銀が保有中の国債の満期が来た金額の範囲内ならOK。

 

「日銀乗換」

日銀の長期国債の残高 58兆円

市場に資金を供給するために、国債を買い続けているため。

 

「銀行券ルール」

「お札の発行高(77兆円)」より「国債の残高」を小さくしておく。

 

※「資産買入等の基金」(ETF上場投資信託やREIT)で買う

長期国債は銀行券ルールの例外扱い。→問題含み。

 

「政府紙幣」という議論もある。

政府独自のお金を発行して、紙幣を増やし、通貨の価値を下落させて

物価の価値を上げてインフレにして、デフレを抑える。

財政規律が守られなく恐れも。

 

 

 

4-6 財政赤字と国債発行

 

「財政赤字」

歳出が税収を大幅に上回る状態

国債の残高は600兆円。

 

①不景気による税収の減少

92年 62兆→10年 37兆

 

②社会保障費の増大

将来の問題

 

「国債費」(利払い負担)の増大。

長期金利が上がったら急増する危険。

「金利を払うために国債を発行する」という自転車操業の事態にも。

国債を発行し続けられる理由

 

家計の金融資産をあてにしている

「家計金融資産」1400兆円台。

その多くが銀行に預けられる。銀行が国債を買う。

 

②低金利が続いている

低コストで資金調達ができる。

 

 

 

 

4-5 歳出

 

2010年度

歳出 92兆円

 

社会保障関係費 3割(27兆)

健康保険、生活保護、基礎年金の国庫負担、

失業対策、子供手当て

 

国債費 2割(20兆)

過去に発行した国債の「元利払い(元本と利子の支払い)」

 

地方交付税交付金等 2割(20兆)

財政力格差(地方公共団体の税収格差)を是正するため

国税の所得税などの30%を配分。