2010年度
歳出 92兆円
①社会保障関係費 3割(27兆)
健康保険、生活保護、基礎年金の国庫負担、
失業対策、子供手当て
②国債費 2割(20兆)
過去に発行した国債の「元利払い(元本と利子の支払い)」
③地方交付税交付金等 2割(20兆)
財政力格差(地方公共団体の税収格差)を是正するため
国税の所得税などの30%を配分。
2010年度
歳出 92兆円
①社会保障関係費 3割(27兆)
健康保険、生活保護、基礎年金の国庫負担、
失業対策、子供手当て
②国債費 2割(20兆)
過去に発行した国債の「元利払い(元本と利子の支払い)」
③地方交付税交付金等 2割(20兆)
財政力格差(地方公共団体の税収格差)を是正するため
国税の所得税などの30%を配分。
2010年度
歳入 92兆円
①公債金収入(国債発行) 5割 (44兆)
・建設公債(建設国債)
公共事業費(道路、橋、社宅、港湾)に充てるため発行される国債
・特例公債(赤字国債)
それ以外の財源に充てるため発行される国債
②税収入 4割 (37兆)
1.所得税 (13%・12兆)
2.消費税 (10%・9兆)
3.法人税 (6%・5兆)
③その他収入 1割(11兆)
・「特別会計」からの繰入
・埋蔵金
※「特別会計」
「一般会計」予算とは別に管理。
「外国為替資金特別会計」では、外貨準備(保有する外貨)で運用した利益を一般に繰入れる。
★2つの税金
1.国税
国に納める。所得税、法人税、消費税。
2.地方税
県や市に納める。住民税、固定資産税。事業税。
★2つの徴税方法
1.直接税(不安定)
「納税義務者」と「税負担者」が一致
所得税、法人税、相続税
景気に左右され、不況の時は税収が減る。
91年26兆→10年12兆
2.間接税(安定)
「納税義務者」と「税負担者」が異なる
消費税、酒税
景気に左右されにくい。
97年~10年、10兆で推移。
「直間比率」
直接税:7割
間接税:3割
構造上のことで消費税増税は長く議論されてきた。
最近では、高齢化の社会保障費の増大、財政立て直しのために議論されることが多くなってきた。
———————————————–
(ひとこと)
企業からの法人税が一番多いのかと思っていたけれど、割合としてはそんなに多くないのか。
「財政政策」を決めるのは内閣
「内閣」・・「内閣総理大臣」と「国務大臣」の組織。
国の行政を担当する最高機関。
「閣僚」・・内閣を構成する各大臣のこと
「行政」(1府12省庁)
内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、
厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、
環境省、防衛省、国家公安委員会(警察庁)
「予算」を決める。
4月~翌3月の歳出、歳入の見積もり。
・国会審議の遅れて間に合わないとき→「暫定予算」
・年度の途中で災害や経済対策などで修正する→「補正予算」
「予算編成」
予算作成~国会に提出するまでの流れ
内閣が予算編成方針打ち出す
→内閣が「予算案」を作る
→国会で予算案審議。可決成立。
→各省庁で予算執行(実際に行なう)
民主党が予算編成を変えた。
★自民党政権時代(~01)
「官僚主導」
官僚(国家公務員。特別・一般→Ⅰ種キャリア。Ⅱ、Ⅲ種ノンキャリア。)
各省庁や財務省が力を持つ。
7月 翌年度予算の枠組みと、大枠の数値基準(概算要求基準)を
閣議(内閣のメンバーで行なわれる会議)で決定。
8月 各省庁が「この事業にこれだけ予算がほしい」と
予算要求(概算要求)を、財務省に提出。
財務省の「主計局」で内容を精査。
12月 内閣が「予算編成の基本方針」を閣議決定。
財務省は予算の原案(「財務省原案」)を閣議に提出。
各省庁にも内示。
財務省と各省庁で交渉。財務省が認めなかった分を復活。
「復活折衝(せっしょう)」
最終的に年末に「政府予算案」になる。
翌年1月 内閣が国会に「政府予算案」を提出し、衆議院、参議院で審議。
3月 国会で予算成立。
★小泉政権(01~06)
予算編成は、官僚主導から「政治主導」へ
予算編成方針(骨太(ほねぶと)の方針)
「経済財政諮問(しもん)会議」
首相、閣僚(大臣)、学者、大企業の経営者など、各省庁がバラバラに立案するとムダや重複が生じる
「縦割り二重行政」をなくす動きへ。
☆変わった点
「予算編成方針」の決定を12月から6月へ。
政府の方針を先に決めて、反映させた予算を各省庁に作らせる。
★民主党(09~)
鳩山政権「政権公約(マニフェスト)」を反映させた概算要求に作りなおさせた。
内閣府「行政刷新会議」を新設
首相、議員、民間人
「事業仕分け」→各省庁の予算のムダを洗い出す
・小泉政権→財政支出抑える「小さな政府」
・民主党→ 財政支出を増やす「大きな政府」
「子供手当」「高速道路無料化」「高校授業料の無償化」
予算のムダの削減でまかなえると主張。
しかし想定していたほどでなく、財源確保の効果があまり出ず。
景気悪化で税収も不足。
歳出90兆円
国債発行額44兆円
過去最高。
今後も国債で埋めるしかないのは明らか。
財政政策
<不況時の対策>
①フィスカルポリシー(裁量)
・公共事業を増やす
→企業売上上がり、給料も上がる
→経済が回る
最近は効果が薄れてきた。
道路も日本中整備されて、経済全体にまで波及効果はいかない。
都市部では「税金の無駄遣い」とも。地方ではまだ増やすべきとの声も。
・減税
税負担を減らして消費に回してもらう。
しかし将来の不安から買い控えも。
最近の状態では、一時的に減税されても、その後の増税を国民を意識しているので、効果は期待できない。
②ビルトインスタビライザー(自動)
・累進課税・・所得が減ると、税負担も減る。
・雇用保険・・失業時の生活費手当。
→消費の急激な減少を抑える。
「財政」・・国が公共サービスを行なう経済活動
「歳入」と「歳出」
歳入 (政府の収入)
・家計、企業からの税金(税収)
・国債の発行
・埋蔵金(各省庁特別会計の余剰金)(税外収入)
歳出 (政府の支出)
・社会保障(年金、医療、介護)
・教育
・公共事業(道路、橋、ダム、災害復旧)
・防衛
「財源」・・歳出を行なうための資金源
「財政政策」・・歳入と歳出のかじ取り。やりくり。
★財政の役割
①国民に所得再分配
累進課税で高所得者から税金徴収→生活保護。
貧富の差をできるかぎり解消。
「所得再分配」
②公共サービス
社会に必要なもの
教育、医療、交通、司法、消防、警察
③経済の安定
金融政策とともに、インフレ、デフレを防ぎ、経済を安定させる。
本来税収入で歳出をまかなうべきだが足りない。
「国債」で補う。→国の債券(借用証書)
※債券とは
・国や企業(発行体)がお金を借りるために、利子(クーポン)の支払や元本返済を約束して発行する借用証書のこと。
・地方公共団体「地方債」、企業「社債」
・半年ごとに利子、償還日(満期日)に元本が返済される。
・償還日前に換金もできるが、元本割れも。
・発行体の倒産→債務不履行(デフォルト)
国債依存度48%
歳出が税収の2倍。
慢性的な借金体質。
★財政政策手段
①「フィスカル・ポリシー(裁量的財政政策)」
政府が意図的に行なう
・不景気に公共事業を増やす、減税など。
②「ビルトイン・スタビライザー(自動安定化装置)」
景気を自動的に安定させる仕組み
・所得税、累進課税制度
・雇用保険制度(失業保険。つなぎの生活資金を国が支援。)
★「小さな政府」「大きな政府」
→ 「財政規模」のこと。
社会保障増大にともない拡大
・「小さな政府」
低福祉・低負担。
自由経済。一部の成功者に富が集中。
米:レーガン政権・共和党(81~89)
日:小泉政権(01~06)
減税、規制緩和、歳出削減。
・「大きな政府」
高福祉・高負担。
福祉国家。
スウェーデン。消費税25%。税金負担率50%
年金、教育など手厚い保護。
「貯金の心配をしなくていい国」
日銀の仕事
①「銀行券」の発行
②通貨の調節、金融システムの安定化
③物価の安定
この3つをしっかり行なうことが日本経済を良くする。
金融政策につながる。
①銀行券の発行
原価数十円の紙を、一万円として扱う。
日銀への信頼感。
BSは10日ごとに公表される「営業毎旬報告」
・負債・・発行銀行券 800兆円(お札・無利子の借金。)
・資産・・国債 750兆円(国の借金)
健全な財務とは
=「負債を支えている資産の中身が優良であること」
国債は信用度が高いので財務の健全性を保っている。
しかし2010年10月「包括緩和」政策決定。
リスクの高いETF、REITなどを取り入れはじめる。
「財務の健全性に不安。あまり良くない」
②金融システム安定化
取引相手の信用リスク
(貸したお金が返済されなくなる可能性。カウンターパーティーリスクという)
の警戒。
金利上昇、企業に資金がいかなくなり経済に悪影響。
01年から5年間行なった「量的緩和政策」は、景気刺激効果は乏しかったものの
金融安定には効果があったといえる。
③物価の安定
物価の安定=物価の先行きが予想しやすい状態
インフレ、デフレ、先行き不透明だと、企業も家計も経済活動が行ないにくい。
若干プラスの物価上昇率を目指すのがよい。
現在インフレ目標を導入していないのは欧米もそうなので、日本も代わりに「中長期物価安定の理解」の導入しているのは妥当と思われる。
★慢性的なデフレは「人口減少」と「過剰供給」。
現在金融機関が実際に必要としている金額を、はるかに超える資金(20兆円)を、金融市場に供給している。
しかしこの金融政策が原因でデフレになっているわけでない。
生産年齢人口が95年ピークで減少
(労働力の中核となる15~64歳)
過小需要、過剰供給。
根本的な構造問題なのでデフレは、金融政策で解決しない。
日銀はインフレを目指して強引な政策を取ると、日本という国の重要な財産である「日本銀行券(お札)の信用」に傷がつく恐れがある。
日銀は経済に大きな力を持つ。
政治家や経済評論家の政策提言のプレッシャーに負けず、「孤高の存在」として
真の役割を果たすことが重要。
インフレーション・ターゲティング(インフレ目標)
日銀が物価上昇率(インフレ率)の数値目標をあげる。
将来物価が上がるという「インフレ期待」を抱かせる。
日銀が銀行から国債など買入で、金融市場への資金供給量を増やす。
→人為的に物価上昇と賛成派は主張。
デフレ脱却できないのは日銀の金融緩和が不足とも。
例.インフレ目標 前年比2~3%
物価上昇が3%を超えそうなら金融引き締め、
2%を下回るなら金融緩和を行なう。
90年NZを皮切りに、世界20カ国が採用
インフレ抑制には成功しているが、デフレ脱却はない。
アンカー効果
「インフレに中央銀行が強く関わる」と国民が考え、インフレ期待が望ましい水準で固定される効果。
名目金利のゼロ制約
利下げの余地がゼロまで行くともうない。
インフレ目標賛成派の主張
・国債を日銀が引き受ける
・株や土地を日銀が購入する
↓
国民が日銀発行の紙幣を信用しなくなる。
家計金融資産の海外流出、さらに経済悪化。
現在日銀はインフレ目標には消極的。
代替案
「中長期的な物価安定の理解」
前年度比1%程度が望ましい。
海外は2%。日本の経済構造、労働慣行、
国民の物価の認識等が反映。
景気悪化対策、デフレの歯止めとして
99年2月~00年8月(1年半)
「ゼロ金利政策」
政府は解除が早すぎるとしたが
多数決で解除決定。
01年ITバブル崩壊
01年3月に政府「戦後初めてのデフレ」
本格的な不況
解除のタイミング悪かった。
日銀は「解除の失敗」を認めず、またゼロ金利にもどることなく
今度は「量的緩和」政策を導入。
「CPIの上昇率が0%以上になるまで」
01年-06年
各銀行の日銀口座残高
4兆円→35兆円に
企業向け貸し出しに回る?
08年 世界経済悪化。
新型オペ
2日以上の資金取引にも10兆円導入→金利低下。
10年 新型オペ拡充
10兆円足して合計30兆円
10年10月「包括緩和」導入
・金利0%~0.1%
・物価が安定するまで続ける
・資金買入等の基金
国債、CP、社債、EFT、REITなど多様な金融資産の買い入れを決定。
基金を創設。
「政策委員会・金融政策決定会合」
金融政策を決定している日銀の最高意思決定機関。
日銀・総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の9人。
多数決で決議される。
金融政策決定会合は月1回。
2013年4月まで白川総裁。
政府の「財政政策」とも関連するため
内閣府と財務省からも参加。
しかし投票権はない。
→日銀の独立性を保つため。
決定事項は市場にインパクトを与えるため
ブラックアウトルール(守秘義務)がある。
会合2日前から発表まで外部に金融政策について話してはいけない。
日銀 公開市場操作(オペ)
①資金供給オペ
日銀がインターバンク市場に資金を供給。
国債、地方債を担保に、銀行に資金を貸し出したり、国債を買い取ったりする。
民間銀行の日銀当座預金口座に資金を振り込む。
通常、インターバンク市場から資金の不足分を補っているが、日銀からの資金があれば借りる必要がなくなり、市場の金利は下がる。
②資金吸収オペ
日銀がインターバンク市場から資金吸収する。
日銀が手形を振り出したり(手形を売ったり)国債を売ったりする。
銀行は日銀の口座に資金を振り込まなくてはいけない。資金が少なくなり市場から借りる。
金利は上がる。
★日銀金融政策
「預金準備率操作」
銀行は顧客から預かった預金の一定の率を日銀口座に預ける義務がある。
この「預金準備率」をコントロールして資金を操作する。
91年を最後に実施されていない。
↓
・企業の資金需要が減り、銀行は資金を余らせているため。
・日銀は金融市場に資金供給していて、兆円が銀行の日銀口座に預けられたまま。
—————————————-
(ひとこと)
銀行の日銀口座にはお金が余っているなんて。。
国民は生活に困っているのに。
いい使い道がないのだろうか。