4-2 財政政策と経済

 

財政政策

<不況時の対策>

①フィスカルポリシー(裁量)

公共事業を増やす

→企業売上上がり、給料も上がる

→経済が回る

 

最近は効果が薄れてきた。

道路も日本中整備されて、経済全体にまで波及効果はいかない。

都市部では「税金の無駄遣い」とも。地方ではまだ増やすべきとの声も。

 

減税

税負担を減らして消費に回してもらう。

しかし将来の不安から買い控えも。

 

最近の状態では、一時的に減税されても、その後の増税を国民を意識しているので、効果は期待できない。

 

②ビルトインスタビライザー(自動)

・累進課税・・所得が減ると、税負担も減る。

・雇用保険・・失業時の生活費手当。

→消費の急激な減少を抑える。

 

 

 

4-1 財政政策

 

「財政」・・国が公共サービスを行なう経済活動

「歳入」と「歳出」

 

歳入 (政府の収入)

・家計、企業からの税金(税収)

・国債の発行

・埋蔵金(各省庁特別会計の余剰金)(税外収入)

 

歳出 (政府の支出)

・社会保障(年金、医療、介護)

・教育

・公共事業(道路、橋、ダム、災害復旧)

・防衛

 

「財源」・・歳出を行なうための資金源

「財政政策」・・歳入と歳出のかじ取り。やりくり。

 

財政の役割

①国民に所得再分配

累進課税で高所得者から税金徴収→生活保護。

貧富の差をできるかぎり解消。

 

「所得再分配」

 

②公共サービス

社会に必要なもの

教育、医療、交通、司法、消防、警察

 

③経済の安定

金融政策とともに、インフレ、デフレを防ぎ、経済を安定させる。

本来税収入で歳出をまかなうべきだが足りない。

 

「国債」で補う。→国の債券(借用証書)

 

 

債券とは

・国や企業(発行体)がお金を借りるために、利子(クーポン)の支払や元本返済を約束して発行する借用証書のこと。

・地方公共団体「地方債」、企業「社債」

 

・半年ごとに利子、償還日(満期日)に元本が返済される。

・償還日前に換金もできるが、元本割れも。

・発行体の倒産→債務不履行(デフォルト)

 

国債依存度48%

歳出が税収の2倍。

慢性的な借金体質。

 

財政政策手段

①「フィスカル・ポリシー(裁量的財政政策)」

政府が意図的に行なう

・不景気に公共事業を増やす、減税など。

 

②「ビルトイン・スタビライザー(自動安定化装置)」

景気を自動的に安定させる仕組み

 

・所得税、累進課税制度

・雇用保険制度(失業保険。つなぎの生活資金を国が支援。)

 

★「小さな政府」「大きな政府」

→ 「財政規模」のこと。

 

社会保障増大にともない拡大

 

「小さな政府」

低福祉・低負担。

自由経済。一部の成功者に富が集中。

 

米:レーガン政権・共和党(81~89)

日:小泉政権(01~06)

減税、規制緩和、歳出削減。

 

・「大きな政府」

高福祉・高負担。

福祉国家。

スウェーデン。消費税25%。税金負担率50%

 

年金、教育など手厚い保護。

「貯金の心配をしなくていい国」

 

 

 

3-8 金融政策の提案

 

日銀の仕事

①「銀行券」の発行

②通貨の調節、金融システムの安定化

③物価の安定

 

この3つをしっかり行なうことが日本経済を良くする。

金融政策につながる。

 

①銀行券の発行

原価数十円の紙を、一万円として扱う。

日銀への信頼感。

 

BSは10日ごとに公表される「営業毎旬報告」

・負債・・発行銀行券 800兆円(お札・無利子の借金。)

・資産・・国債 750兆円(国の借金)

 

健全な財務とは

=「負債を支えている資産の中身が優良であること」

 

国債は信用度が高いので財務の健全性を保っている。

しかし2010年10月「包括緩和」政策決定。

 

リスクの高いETF、REITなどを取り入れはじめる。

「財務の健全性に不安。あまり良くない」

 

 

②金融システム安定化

取引相手の信用リスク

(貸したお金が返済されなくなる可能性。カウンターパーティーリスクという)

の警戒。

 

金利上昇、企業に資金がいかなくなり経済に悪影響。

 

01年から5年間行なった「量的緩和政策」は、景気刺激効果は乏しかったものの
金融安定には効果があったといえる。

 

③物価の安定

物価の安定=物価の先行きが予想しやすい状態

インフレ、デフレ、先行き不透明だと、企業も家計も経済活動が行ないにくい。

若干プラスの物価上昇率を目指すのがよい。

 

現在インフレ目標を導入していないのは欧米もそうなので、日本も代わりに「中長期物価安定の理解」の導入しているのは妥当と思われる。

 

 

★慢性的なデフレは「人口減少」と「過剰供給」。

現在金融機関が実際に必要としている金額を、はるかに超える資金(20兆円)を、金融市場に供給している。

しかしこの金融政策が原因でデフレになっているわけでない。

 

生産年齢人口が95年ピークで減少

(労働力の中核となる15~64歳)

過小需要、過剰供給。

 

根本的な構造問題なのでデフレは、金融政策で解決しない。

 

 

日銀はインフレを目指して強引な政策を取ると、日本という国の重要な財産である「日本銀行券(お札)の信用」に傷がつく恐れがある。

 

日銀は経済に大きな力を持つ。

政治家や経済評論家の政策提言のプレッシャーに負けず、「孤高の存在」として
真の役割を果たすことが重要。

 

 

 

 

3-7 インフレ目標

 

インフレーション・ターゲティング(インフレ目標)

日銀が物価上昇率(インフレ率)の数値目標をあげる。

 

将来物価が上がるという「インフレ期待」を抱かせる。

 

日銀が銀行から国債など買入で、金融市場への資金供給量を増やす。

→人為的に物価上昇と賛成派は主張。

 

デフレ脱却できないのは日銀の金融緩和が不足とも。

例.インフレ目標 前年比2~3%

 

物価上昇が3%を超えそうなら金融引き締め、

2%を下回るなら金融緩和を行なう。

 

90年NZを皮切りに、世界20カ国が採用

 

インフレ抑制には成功しているが、デフレ脱却はない。

 

 

アンカー効果

「インフレに中央銀行が強く関わる」と国民が考え、インフレ期待が望ましい水準で固定される効果。

 

名目金利のゼロ制約

利下げの余地がゼロまで行くともうない。

 

インフレ目標賛成派の主張

・国債を日銀が引き受ける

・株や土地を日銀が購入する

国民が日銀発行の紙幣を信用しなくなる。

家計金融資産の海外流出、さらに経済悪化。

 

 

現在日銀はインフレ目標には消極的。

代替案

 

「中長期的な物価安定の理解」

前年度比1%程度が望ましい。

 

海外は2%。日本の経済構造、労働慣行、

 

国民の物価の認識等が反映。

 

 

 

 

 

3-6 近年の金融政策

 

景気悪化対策、デフレの歯止めとして

99年2月~00年8月(1年半)

「ゼロ金利政策」

 

政府は解除が早すぎるとしたが

多数決で解除決定。

 

 

01年ITバブル崩壊

01年3月に政府「戦後初めてのデフレ」

 

本格的な不況

解除のタイミング悪かった。

 

日銀は「解除の失敗」を認めず、またゼロ金利にもどることなく

今度は「量的緩和」政策を導入。

 

「CPIの上昇率が0%以上になるまで」

01年-06年

各銀行の日銀口座残高

4兆円→35兆円に

 

企業向け貸し出しに回る?

08年 世界経済悪化。

 

 

新型オペ

2日以上の資金取引にも10兆円導入→金利低下。

 

10年 新型オペ拡充

10兆円足して合計30兆円

 

 

10年10月「包括緩和」導入

・金利0%~0.1%

・物価が安定するまで続ける

・資金買入等の基金

 

国債、CP、社債、EFT、REITなど多様な金融資産の買い入れを決定。

基金を創設。

 

 

 

 

3-5 政策委員会

 

「政策委員会・金融政策決定会合」

金融政策を決定している日銀の最高意思決定機関。

 

日銀・総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の9人。

多数決で決議される。

 

金融政策決定会合は月1回。

2013年4月まで白川総裁。

 

政府の「財政政策」とも関連するため

内閣府と財務省からも参加。

 

しかし投票権はない。

→日銀の独立性を保つため。

 

決定事項は市場にインパクトを与えるため

ブラックアウトルール(守秘義務)がある。

 

会合2日前から発表まで外部に金融政策について話してはいけない。

 

 

 

 

 

3-4 公開市場操作(オペ)

 

日銀 公開市場操作(オペ)

 

①資金供給オペ

日銀がインターバンク市場に資金を供給。

 

国債、地方債を担保に、銀行に資金を貸し出したり、国債を買い取ったりする。

民間銀行の日銀当座預金口座に資金を振り込む。

 

通常、インターバンク市場から資金の不足分を補っているが、日銀からの資金があれば借りる必要がなくなり、市場の金利は下がる。

 

②資金吸収オペ

日銀がインターバンク市場から資金吸収する。

 

日銀が手形を振り出したり(手形を売ったり)国債を売ったりする。

 

銀行は日銀の口座に資金を振り込まなくてはいけない。資金が少なくなり市場から借りる。

金利は上がる。

 

★日銀金融政策

「預金準備率操作」

 

銀行は顧客から預かった預金の一定の率を日銀口座に預ける義務がある。

この「預金準備率」をコントロールして資金を操作する。

 

91年を最後に実施されていない。

・企業の資金需要が減り、銀行は資金を余らせているため。

 

・日銀は金融市場に資金供給していて、兆円が銀行の日銀口座に預けられたまま。

 

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(ひとこと)

銀行の日銀口座にはお金が余っているなんて。。

国民は生活に困っているのに。

いい使い道がないのだろうか。

 

 

 

 

 

3-3 景気にブレーキとアクセル

 

日銀「公開市場操作(オペ)」

★インフレ時 → 「金融引き締め」を行なう。

 

無担保コール翌日物金利、誘導水準引き上げ↑

→資金を吸収する。(減らす)

→金利上がる↑

物価上昇の抑制

 

翌日物だけでなく、1週間、1か月、1年にも影響し、世の中の金利全体が上昇↑

 

企業、個人があまりお金を使わなくなり、景気に「ブレーキ」がかかる

 

 

★デフレ時 → 「金融緩和」を行なう。

無担保コール翌日物、引き下げ↓

→資金を供給する。(増やす。)

→金利下がる↓

物価下落の抑制

 

企業、個人がお金を使うようになり、景気に「アクセル」

 

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(ひとこと)

今はデフレだけど、もう金利下げるとこまで下げてるから、これ以上下げようがない。

政策は行き詰まってるのかな。。

 

 

 

 

3-2 無担保コール翌日物金利

 

日銀の「政策金利」とは、

=「短期金融市場」における資金取引の一つ、

 

無担保コール翌日物(よくじつもの)金利(オーバーナイト物)」のこと。

 

短期金融市場」・・1年以下の資金取引(お金の貸し借り)

マネーマーケットとも呼ばれる。

 

短期金融市場は

 

①インターバンク市場

②オープン市場

 

の二つに分かれる。

 

 

インターバンク市場

銀行、証券会社など金融機関だけが取引に参加。

 

コール市場」が中心。(取引高15兆円)

「呼べばすぐにお金が戻るほど短期間」という意味。

 

 

コール市場の中心的な取引が「無担保コール翌日物」。

→無担保でお金を借りて、翌日には返す。

 

銀行の営業活動の中で資金の過不足をここで調整する。

 

お金が余っている銀行は、足りない銀行に

1日だけお金を貸して、金利を稼ぐ。

 

 

 

オープン市場

金融機関に加え、商社、メーカーなどの一般企業、地方自治体も参加できる。

様々な資金ニーズに合わせて、金融商品が取引される。

 

・TDB(国庫短期証券)

・CD(譲渡性預金証書)

・CP(コマーシャルペーパー)

 

 

 

日銀は、①インターバンク市場に対して

公開市場操作(オペ)」を行なう。

 

「無担保コール翌日物金利」を、日銀が目標とする金利水準に誘導する。

 

金利は、銀行同士の自由取引なので、日銀が無理やり金利を決めつけることはできない。

 

そこで、巨額のお金を供給したり、吸収して操作する。

 


 

(ひとこと)

今日のところはおもしろかった。

 

今日出てきた言葉は、言葉だけはよく聞くけど、内容が初めてわかった。

日銀がお金を入れたり出したりして金利を操作してたのか。

 

 

 

 

 

3-1 金融政策とは

 

景気は良くなったり、悪くなったり循環する。

良くなりすぎるとインフレ、悪くなりすぎるデフレ。

 

経済に大きなダメージ、回復に時間がかかる。

→景気変動の波を「政策」によってコントロール

 

「政府」と「日本銀行」が行なう2つの「経済政策」

 

金融政策

日銀が金融面から経済を安定させる。

金利上げ下げ、お金の量の調整。

 

財政政策

政府が財政面から経済を安定させる。

 

歳出・・予算を使う。公共事業の拡大、縮小。

歳入・・財源を集める。増税、減税。

 

 

★日銀金融政策の目的

 

1.「物価」の安定 ←最優先課題

cf 世界の中央銀行の多くは「1.物価の安定」を重要な役割とする。

 

FRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」

・日銀「物価の番人」と呼ばれる。

・「通貨の価値」は

インフレになると下がる。

デフレになると上がる。

 

 

物価安定=自国通貨の価値を安定させることにもなる。

インフレ目標(インフレターゲティング)が設定。

 

物価上昇率

 

★日銀金融政策の方法

「政策金利」の上げ下げ。

→世の中のすべての金利の基準になる金利のこと

利上げ、利下げ。

 

 

2.「金融システム」の安定

金融システム・・銀行などの金融機関を中心とした「お金の流れ全体」を指す

 

「お金は経済の血液」

お金(血)の流れが止まると、経済活動全体が悪化しマヒしてしまうことも。。

金融市場が不安定になると、金融機関がお金の貸し借りをする「金融市場」にお金を供給。

 

不安心理をやわらげる。

 


 

(ひとこと)

日銀の最大の役割が「物価の安定」を目標にしてたのは知らなかった。