4-3 官僚主導から政治主導へ

 

「財政政策」を決めるのは内閣

 

「内閣」・・「内閣総理大臣」と「国務大臣」の組織。

国の行政を担当する最高機関。

 

「閣僚」・・内閣を構成する各大臣のこと

 

「行政」(1府12省庁)

内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、

厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、

環境省、防衛省、国家公安委員会(警察庁)

 

「予算」を決める。

4月~翌3月の歳出、歳入の見積もり。

 

・国会審議の遅れて間に合わないとき→「暫定予算」

・年度の途中で災害や経済対策などで修正する→「補正予算」

 

「予算編成」

予算作成~国会に提出するまでの流れ

 

内閣が予算編成方針打ち出す

→内閣が「予算案」を作る

→国会で予算案審議。可決成立。

→各省庁で予算執行(実際に行なう)

 

民主党が予算編成を変えた。

 

★自民党政権時代(~01)

「官僚主導」

官僚(国家公務員。特別・一般→Ⅰ種キャリア。Ⅱ、Ⅲ種ノンキャリア。)

各省庁や財務省が力を持つ。

 

7月 翌年度予算の枠組みと、大枠の数値基準(概算要求基準)を

閣議(内閣のメンバーで行なわれる会議)で決定。

 

8月 各省庁が「この事業にこれだけ予算がほしい」と

予算要求(概算要求)を、財務省に提出。

 

財務省の「主計局」で内容を精査。

 

12月 内閣が「予算編成の基本方針」を閣議決定。

 

財務省は予算の原案(「財務省原案」)を閣議に提出。

各省庁にも内示。

 

財務省と各省庁で交渉。財務省が認めなかった分を復活。

「復活折衝(せっしょう)」

 

最終的に年末に「政府予算案」になる。

 

翌年1月 内閣が国会に「政府予算案」を提出し、衆議院、参議院で審議。

3月 国会で予算成立。

 

★小泉政権(01~06)

予算編成は、官僚主導から「政治主導」

予算編成方針(骨太(ほねぶと)の方針)

 

「経済財政諮問(しもん)会議」

首相、閣僚(大臣)、学者、大企業の経営者など、各省庁がバラバラに立案するとムダや重複が生じる

「縦割り二重行政」をなくす動きへ。

 

☆変わった点

「予算編成方針」の決定を12月から6月へ。

政府の方針を先に決めて、反映させた予算を各省庁に作らせる。

 

★民主党(09~)

鳩山政権「政権公約(マニフェスト)」を反映させた概算要求に作りなおさせた。

内閣府「行政刷新会議」を新設

首相、議員、民間人

「事業仕分け」→各省庁の予算のムダを洗い出す

 

・小泉政権→財政支出抑える「小さな政府」

・民主党→ 財政支出を増やす「大きな政府」

 

「子供手当」「高速道路無料化」「高校授業料の無償化」

予算のムダの削減でまかなえると主張。

 

しかし想定していたほどでなく、財源確保の効果があまり出ず。

景気悪化で税収も不足。

 

歳出90兆円

国債発行額44兆円

過去最高。

 

今後も国債で埋めるしかないのは明らか。