2-2 為替レート

 

①銀行間・・「インターバンクレート」

②銀行対個人、企業・・「顧客向け為替レート」

「今日の為替相場は・・」は①のインターバンクレートの方。

 

ビッド、オファー、のレートを「気配値(けはいち)」といい

決まったレートを「ファームレート」と言う。

 

「顧客向け」

・企業向け

力関係で手数料が決まる

 

・個人向け

午前10時のインターバンクレートを「仲値(TTM)」という

基準にする。

 

Telegraphic Transfer Middle Rate

TTS(売)

 

ドル買い円売り。仲値に1円乗せ。現金だと更に2円乗せ。

 

TTB(買)

ドル売り円買い。仲値から1円引き。現金だと更に2円引き。

 

 

 

 

2-1 外国為替市場

 

「外国為替市場」

証券会社や保険会社も参加しているが、銀行間の取引が圧倒的に多いので

「インターバンク市場(銀行間取引市場)」とも言われる。

 

リアルな取引所があるわけではなく、バーチャル市場でネットワークそのものを指す。

 

株は注文を取引所一つに集めて注文をつなぐ。

 

為替は相対取り引きなので、お互いに納得すれば成立する。

原則100万ドル単位(約7500万円)

 

 

資金移動は翌々日(スポット)

DD(ダイレクトディーリング)

銀行同士が直接専用端末や電話で取引。

 

②ブローカー取引

仲介を取り持ってくれる。手数料発生。近年減少。

 

 

 

1 為替とは

 

「為替」

現金を輸送せず、銀行などの仲介でお金の支払いや受取りをすること。

 

振込や引き落としなど。リスクやムダを省くため。

 

国内での取引「内国為替」(ないこくかわせ)

海外との取引「外国為替」通貨の交換が生じる

 

・日本が輸出した代金をドルで受け取る割合は49%

・日本が輸入した代金をドルで支払う割合は70%

 

アジアとの貿易でもドルが使われる。

 

 

 

5 まとめ

 

 

・国のマル

→①経済力 ②軍事力 ③政治力

 

・企業のマル

→①資金調達 ②設備投資 ③売上、納税 ④配当

 

・個人のマル

→①労働者 ②消費者 ③投資家 ④納税者

 

・ 歴史ドラマや映画などのように、日経では「現在進行形」の「リアル欲望ドラマ」を見ることができる。

・ 音読すると経済伝達力が身に付く

・ 昔は企業よりの記事が多かったが、時代に合わせて企業から個人へとシフトしつつある

 

 

 

 

 

引用:

 

 

 

 

 

 

4 個人のマル。①労働者 ②消費者 ③投資家 ④納税者

※「個人のマル」の記事を読むときは、4つの側面

①労働者、②消費者、③投資家、④納税者

のどの側面かに注目。

・国民の欲望

「安全に豊かにくらしたい」

 

食の安全

企業の欲望は「儲け続けたい」だが

個人の欲望「安全にくらしたい」に反してまで儲けることはできない。

 

1億2千万人の個人がいて、それぞれの企業、国との関わり方は1億2千万通り。

 

個人の経済的な面

①労働者(企)

②消費者(企)

③投資家(企)

④納税者(国)

 

例「過去最大の住宅ローン減税の実施決定」

労働者:住宅関係なら関係あり。取引先ならプラス材料。

消費者:住宅の購入を考えているなら背中を押してくれる。

投資家:株主であればプラス材料。

納税者:住宅ローンを利用してる人→うれしい

 

利用していない人→また国の赤字が増えるだけでは、と心配

 

 

例2「らでぃっしゅぼーや」食材宅配業者。有機農法など食の安全に気を配っている。

①労働者:営業先の候補にする

②消費者:利用してみる

③投資家:株購入を検討

 

 

 

引用:

 

 

 

 

 

 

7-8 米国経済の復活

 

経済の回復力が弱いのは

「家計の悪化」

 

バランスシート調整中

 

家計の純資産(資産-負債)は失った資産の3分の1しか取り戻していない。

 

人口増なので中長期では個人消費は上向き

 

貯蓄率92年から低下。

 

金融危機以後、反転して上昇。

 

92年以前の水準に戻ればバランスシート調整終了。

 

低金利なのでこれ以上下げられない。

 

→FRB 米国債の買い入れを増額(量的緩和)

 

→株価少し上昇。バランスシート調整に追い風。

 

 

金利低いままだと住宅ローンが借りやすく

住宅市場も回復。

 

ドル安続けば輸出も向上。

 

 

FRBが回復への期待感をうまくコントロールできれば、景気回復していくかも。

 

 

 

 

 

 

 

7-7 氷上の白クマ論

 

日本企業の状況

「氷上の白クマ論」

 

温暖化で氷がとけている。

別の大きな氷、陸地を見つけなければ絶滅。

 

10年 中国、バングラデシュで賃上げ要求スト

しかしまだまだ、設備投資、新規雇用の海外シフトは続く

 

(賃金格差はまだ大きい。海外生産、販売の動き。

新興国市場の重要性。など)

 

日本経済に必要な政策は

「国家としての人口対策」

 

 

 

 

 

7-6 政府・日銀・銀行の「泥船論」

 

日本の銀行が保有する国債は右肩上がり

95年 30兆→10年 142兆円(15年で約5倍)

 

Q:「日本の財政が危ないと言われているのに

銀行はなぜ国債を買い続けるのか?」

 

A:預金で銀行に集まるお金は「円建て」

→銀行の負債は「円」

→銀行は日本政府、日本銀行と運命共同体「泥船」

 

将来の日本経済はどちらか

 

政府が財政健全化に失敗

→悪い金利上昇

→国債価値下落

 

消費税率大幅に引き上げ

→国の活力が大きく失われる

→銀行貸し出しが減少、経済停滞、

→資産が劣化、不良債権が増える

 

銀行は泥船と分かっていても他の船に乗り換えることはしない。

=ドル建てにすると価格変動リスクを負う

 

個人は「泥船が危ない」と思えば他の船に乗り換えられる。

↑これが大規模に発生することを

キャピタルフライト(資本逃避)」という。

 

もし資本逃避が起こったら

債券市場は危機。銀行の円建て預金急減。

銀行は、国債を買う(国にお金を貸す)どころか、貸出に回す資金確保できず、国債を大量に売る必要(国にお金を返してもらう)に迫られる。

 

日本国債、日本銀行券に対して国民の信頼感(信認)が失われると、日本経済は大きな危機に陥る。

 

 

 

 

 

7-5 法人税率引き下げ

 

10年7月 参議院議員選挙 政治公約

「デフレ脱却」「GDP成長率プラス3~5%」

→96年以降2%達成できていない

 

3~5%は高すぎる目標

政党の希望

・「日銀の金融政策への期待」

・「法人税率引き下げ」

 

日本法人税40%→5%引き下げ

「日本版HIA(本国投資法)」

日本企業の海外現地法人は稼いだ十数兆円を

内部留保として海外で保有。

これが国内に配当金として流れる際、非課税にする。

あまり効果出ず。

 

日本市場が暗いので、消極的

日本企業が国内に蓄積するキャッシュは多い。

「事業法人のカネあまり」

 

 

使い道

・借金返済

・M&A

・増配当

→デフレは続く

 

 

上場企業1513社中「実質無借金経営」43%

有利子負債(社債+長短借入金)(少)<手元資金(現預金+有価証券)(多)

→財務体質を良くして格付けを高め、資金調達コストを下げたい

 

法人減税をしても、円安になっても

生産年齢人口(15~64才)が減少し消費低迷していくので

日本企業が海外に活路を見出すという流れは変わらないだろう。

 

 

 

 

7-4 日本経済は95年に転換

 

現在の日本経済の特徴

 

①輸出依存の景気回復パターン

②慢性的なデフレ

③超低金利の常態化

 

輸出依存の景気回復パターン

80年代 「貿易黒字」より「内需拡大」に目を向けた。

近年 日銀の景気回復シナリオは

内需主導ではなく「輸出主導」を掲げている。

 

海外経済動向や為替に左右される

→不安定

 

慢性的なデフレ

95年を境にインフレ→デフレに。

デフレの理由

 

× 日銀の金融緩和(お金を市場に入れる)が不十分

〇 実物経済の「需給バランス」が悪い

 

「需要」に対して「供給」が多すぎる。

 

超低金利の常態化

当時の主要政策金利

 

「公定歩合」(日銀の銀行向け貸出金利)

1%→0.5%に引き下げ

現在の主要政策金利

無担保コール翌日物(よくじつもの)金利

0.4%に引き下げ

 

1995年は転換点。

・生産年齢人口(15~64才)がピーク。下降の始まり。

・超低金利時代の幕開け

→今後5~10年、0%台が続くと予想される

 

輸出拡大の景気回復には円高は望ましくない。

日銀が利上げを急ぐと円高になるので制約がかかる。