1-1 金利とは

 

金利ってそもそも何だろう?

金利は経済が活発に動いていくために、なくてはならない大切なしくみ。

お金の賃借料(レンタル料)

 

お金の余っている経済主体(企業や家計などの経済活動の担い手)から、お金の足りない経済主体が、お金を借りた時に払う賃借料

・1200年前の古代日本「出拳(すいこ)」

稲を貸して収穫期には上乗せして返してもらう制度があった。

 

・住宅ローン

2,500万円ローン

25年。金利3%。月々12万円。

 

金利 1,056万円

支払総額 3,556万円

 

お金を借りる手段があるから・・

・家計は、高価なモノやサービスを手に入れて豊かな生活を送れる。

・企業は、サービスを提供して利益を上げ経営を維持、発展させられる。

・銀行は、金利で利益を得られる。

 

経済を活性化させているのが金利のしくみ。

 

 

 

 

 

7-9 相場のプロと一般の人

 

プロより一般の人が正しいこともある

 

90年 「ワイド騒ぎ」

当時の日銀総裁 三重野康

バブル景気を押さえるバブルつぶしのため政策金利を上げ続けた。

 

利付(りつき)金融債=銀行が発行する債券

「ワイド」利回り9.6%

プロはまだ金利が上がると予想していた。

 

一般の人はこれから下がると判断して買う人が殺到。

実際に下がっていった。

 

07年 個人向け国債(固定金利5年物)利率上昇

1.5%になった際に売れ行き上昇。

 

プロはまだ上がると予想していたが実際は下がった。

 

08年12月

円高ピークと予想して両替に列ができた。

 

プロはさらに円高と予想していたが、円安に。

次の円高は約1年後までなかった。

 

プロはなぜ外れるか?

情報過多。器用貧乏になりがち。

 

特定の情報にこだわって視野が狭くなる場合もある。

一般の人の距離を置いて冷静に見られる日常生活の感覚が大切になることもある。

 

 

 

7-8 投機筋の相場観

 

欧米の投機筋がどのような相場観で動いているのか

→米国の先物取引所で持っている建玉(たてぎょく)ポジション

 

「先物取引」とは取引所に上場された定型的な金融商品の売買で派生商品(デリバティブ)の一種。

米国商品先物取引委員会(CFTC)が毎金曜にその週の火曜のポジションをHPで公開。(3日のずれに注意)

 

例 09年8月18日 NYMEX(ニューヨークマーカンタイル取引所)に上場されている世界の原油取引の指標WTI原油のポジション

買い20万枚(1枚=1000バレル)、売り18万枚。買いが多い買い越し。

→「原油が目先(ごく短期間)上昇する」と考えている。

 

リーマンショック以降、ヘッジファンドは解約による資産残高の減少などで
力が少し弱まっている。

今後米株価が上がれば、またリスクを取る動きになるだろう。

 

 

 

 

日経一面 2012年1月

①120101 開かれる知つながる力。動き出すチームグローバル。社会の課題次々挑戦。
120103 サムスン、日本再参入。来年めど家電量販に打診。薄型テレビ。
120105 宮城沿岸部に先端農場。官民連携被災地250ha借り上げ。LEDで害虫駆除/農作業ロボ。農業再生モデルに。
120106 発電電力小売り参入促進。経産省検討事業別に免許再編。送配電網、中立機関が運用。
120107 携帯3社1.6兆円投資。スマートフォン通信急増。12年度1割増。ドコモ基地局を整備。ソフトバンク5割上積みへ。
②120108 ゼネコン、東北に重点配置。1~2割増員復興需要17兆円期待。雇用の創出50万人規模。
120109 国管理空港民間運営に。国交省14年度まず仙台や広島。滑走路やビル一体経営。効率化促す。
120110 「総合診療医」を育成。厚労省検討在宅医療の柱に。専門医偏重を是正。
120111 日本株公的資金頼み。外国人売りの7割吸収。日銀が投信購入。年金独法も投資。昨年の下記効果1.4兆円。
120112 米、日本に大幅削減要求へ。イラン産原油輸入。制裁から邦銀除く条件。
120113 岡田氏副総理で入閣。文科相に平野博氏。きょう内閣改造。国対委員長は城島氏有力。
120114 首相「一体改革へ正念場」改造内閣発足。消費税増税野党に協議迫る。定数削減3月には結論。
③120115 欧州危機対応に警鐘。仏など9ヶ国格下げ。対策小出し市場の不安膨らむ。
120116 欧州銀、資本増強に影。20日計画期限・・格下げで不安再燃。貸し渋りの動きも。
120117 三井住友、英銀事業を買収。RBSから航空機リース5500億円。欧州危機で資産受け皿に。
120118 東大、秋入学に全面移行。入試は春、卒業まで4.5~5年懇談会早期実現を提言。国、企業に協力要請。
120119 小売低コスト農業。TPPに備え。セブン&アイ北海道に20ha。ローソンなどクラウドで管理。(1ha=10,000㎡(100m×100m))
120120 小型デジカメソニー首位。録画再生機パナソニックに。デジタル家電国内シェア。震災・タイ洪水響く。
120121 秋入学9割前向き。主要大、国際化に期待。本社調査。慶応・東工大なども検討。
④120122 東電、1700万世帯に導入。電力使用を効率化スマートメーター。国際入札でコスト抑制。18年度ほぼ全家庭に。
120123 東電、火力発電を分離。原賠機構、経営形態見直し検討。競争促しコスト圧縮。送配電など社内分社。
120124 「楽天」取扱高1兆円。スマートフォン経由増加。ネット消費中高年も。
120125 インドでクラウド拠点。NTTコム大手買収。高い教育水準、安い人件費。富士通は技術者倍増。
120126 東電、3年で黒字化。原賠機構計画社債発行に5年。値上げ、原発再稼働前提。
120127 投信配当しすぎ歯止め。過度な運用リスク制限。法改正検討。毎月分配型運用益に限定。
120128 電力5社赤字1兆円超。今期原発停止、燃料費重く。東北2500億円、九州1500億円。
⑤120129 温暖化ガス排出増続く。原発停止が影響。製造業今年度0.2%増。京都議定書「6%減」黄信号。
120130 在宅医療促進へ2000拠点。介護と一体、厚労省が支援策。病床不足に備え。政府は在宅医療・介護を後押し
120131 欧州、危機下の消費税増。仏21.2%、伊23%、独がモデル。早期に財政再建。企業負担は軽減。(欧州も増税か。きついだろうな。日本も将来20%になるんだろうか・・ )

7-6~7 地政学的リスク 

 

うわさで買って事実で売る。

うわさで買う状態のことを「材料が織り込み済み」「いったん消化された」という。

・ 地政学的リスク・・戦争、紛争

イラン、イラク、ナイジェリア、パレスチナなど。

日本は北朝鮮情勢に影響される。

 

核実験、ミサイル発射などで円売り、円安。

→ただし1~2日で薄れる。

 

外交カードであって、本気で米、韓国、日と戦争するつもりがないことを、為替市場は見透かしている。

ブラフ(はったり)

 

しかし今後どうなるか慎重に見る必要がある。

権力継承、突然の体制崩壊により難民流出にならないのか、もし南北統一になったら日本のコストなど。

 

 

 

 

7-3~5 大統領選ドル高。ドル暴落説。介入。

 

大統領選の年はドル高になりやすい(ドル円相場ではなく、実効為替レート)

・強いアメリカをアピール

・選挙のある年に向けて景気浮揚を狙う経済政策でドルが買われやすい

 

近年はあてはまらない場合も。

 

ドル暴落説は本当か?

・財政赤字、ドル信用不安で暴落

・日本の失われた10年(長い不況)に陥っている

など・・

 

しかしドルを売って代わりに買う通貨がない。

ユーロ・・弱点が多い

円・・将来性がない

スイスフラン、金・・市場規模が小さい

 

マネーの行き場がないので実際にはどうか・・というところ。

 

介入は効果が薄れていく

 

①スムージングオペレーション(スムージングオペ)

急激な乱高下をおさえる

酔っ払いに水をかけて頭を冷やすようなもの。

 

②為替相場を特定の水準に封じ込める

物量作戦は巨額の資金が必要。

どちらも人為的な操作で長くは続かない。

 

 

 

 

分かりやすくておすすめの経済・会計本

 

日経新聞を「世界経済欲望ドラマ」と見れば読みやすくなる、という本。
実例もあっておもしろいです。

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決算書の読みこなし方が分かります。実践もあるのでGood。

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「だいたいでええやん。」とゆるいのですが、内容は本質をつかんでいて、大切なことだけざっくり教えてくれます。

 

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決算書をギュッとまとめた「決算短書」から会社の状況をよみとく本。

結晶化フェチには楽しい本です。

「決算書」がブログで、「決算短書」が140文字のTwitterのようなイメージ。

数字からストーリーを、膨らませてイメージします。

 

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3人の彼氏候補を、お金の面で分析してしまうという発想がおもしろくて分かりやすいです^^。

収益性抜群のIT企業若社長、安定性の和菓子屋の二代目、将来の伸びに期待の学生、とキャラも立ってるので、すんなり理解しやすいです。

 

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7-2 市場の「テーマ」をつかむ

 

「投資は美人投票」(ケインズ)

自分の好みではなく、他の多くの参加者が美人だと思いそうな人に投票。

 

多数意見を推測するには、市場の「テーマ」をつかむこと。

=何に注目しているか。

 

例。

80年代後半「米貿易赤字」→ドルばらまかれる→ドル下落

 

00年「各国の政策金利」→キャリートレード

低金利の通貨円などで資金を借りて高金利通貨に交換して運用して
高い利回りを上げ、金利差を稼ぐ方法。

→円安が続いた。

 

07年サブプライム危機後、円キャリートレードは解消

→一転円高に。

 

10年「米国の株価」

07年以降リスクの小さい国債が買い進まれる→「質への逃避」

 

リスク回避志向の強まり

米の機関投資家が日、欧、新興国、で投資していた資金を売却してドルに戻し
本国に送金

→「リパトリエーション(リパトリ)

 

 

 

7-1 ドル円1月効果

 

「1月効果」

1月の相場の動きで1年が分かる。

1月の相場の方向性と1年の方向性が一致(的中率 78%)

 

1月スタート、12月エンドという海外の機関投資家の動きを反映か。

大きな出来事、サブプライム、協調介入などがあると崩れる。

 

 

 

 

6-6 実効為替レート

 

「実効為替レート」

通貨の総合力を示す指標

 

日経平均やTOPIX(東証株価指数)の為替版

ドル円相場が円安で、ユロ円が円高のとき、円を判断するには「実効為替レート」を使う。

 

①名目実効為替レート

貿易関係の強弱を反映。貿易面での対外競争力を示す指標になる。

 

②実質実効為替レート

名目に物価変動をプラス。

 

・自国通貨(邦貨)建て

1ドル=100円など

 

・外国通貨(外貨)建て

1円=0.01ドル

 

・実効為替レートは、外貨建てで表わされる。

・1973年を100とする

 

 

07~09年

・ドル円124円→87円に。下落率30%。

・実効為替レート 91.5→128.7 円高に。上昇率40%。

・ドルの価値は、円に対して30%下がった。

・ドルを含めた外貨の価値は、円に対して40%下がった。