5-2 国債発行

 

12月に予算案が決められる。

そのとき国債発行額が決められる。

 

民間金融機関が購入する額→市中消化額

新たに発行される国債を「新規国債(新規財源債)」という。

 

新規国債

①建設国債

特例国債(赤字国債)

税収不足を補うための国債

 

新規以外

③借換債 91兆円 借金期限延長

④財投債

 

①~④

2009国債発行額 158兆円

新規国債の販売(「国債の消化」という)方法は3つ

①市中消化

②個人向け販売

③日銀乗換

 

①市中消化(ほとんどがこれ)

プライマリーディーラー制度

国債市場特別参加者制度

大手証券会社などによる入札制度。

以前は金融機関などの大口投資家が「国債引受シンジケート団」を作って引き受けていた。

新規国債の売れ残りを防ぐ。

 

②個人向け国債

 

③日銀乗換

日銀が新規国債を引き受けること

 

 

 

 

 

5-1 日銀 金融政策

 

この10年金融緩和政策を取ってきた。

 

99年 「ゼロ金利政策」

デフレを押さえる、景気悪化押さえる

資金供給を行ない無担保コールをできるだけ低い水準に誘導

 

00年 解除

 

政府はまだ早いと求めたが否決。

その後ITバブル崩壊。

 

結果的にゼロ金利解除は早すぎたことになる。

 

 

01年

ゼロ金利解除の失敗を認めたくなくて

ゼロ金利政策には戻らない。

 

 

「量的緩和政策」

誘導目標は無担保コールから日銀の当座預金残高に変わる。

参照 経済 3-6近年の金融政策

 

 

 

 

4-10 格付け機関

 

格付け機関の評価で変わってくる。

 

債券の信用度合いを評価する格付け機関の評価が、金利水準に反映される。

債券のデフォルトリスクを格付けで見る。

 

格付け機関の評価は金利を動かす要因になる。

 


デフォルト(債務不履行)

債券の発行体が破綻して元本と利子が受取れなくなること

 

格付け会社


「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)」

「ムーディーズ」

 

米英

「フィッチレーティングス」

 

日本

「格付投資情報センター(R&I)」

「日本格付研究所(JCR)」

 

発行体がが債券の元本と利息を償還(満期)まで予定通り支払えるか、という見通しを記号で表す。

AAA~Dまで。

 

AA~CCCまでは+、-を付ける。

AAA ~ BBB- 投資的水準

BB+ ~ D 投機的水準。投資リスクが高い。

 

「ジャンク債」と呼ばれる。

ハイリスク・ハイリターンを狙う人は買う。

 

方向性の見通し「アウトルック」

 

長期格付けが中期的(6ヶ月~2年)にどの方向に動きそうかを示す。

 

①ポジティブ

↑に向かう。

 

②ネガティブ

↓に向かう。

 

③安定的

→横ばい

 

④方向性不確定

 

上にも下にも向かう可能性がある。

 

格付けは、絶対的なものではない。

 

日本国債がムーディーズでA2まで格下げされたとき財務省は強く反論。

格付けで発行体の資金調達コストが変わる。

 

格付けが高いと、リスクプレミアムが低い。

 

投資家は格付けを投資判断材料とする。

 

企業はお金を払って「依頼格付け」を取得する場合がある。

「勝手格付け」もある。

 

重要度の高い、国、銀行、保険会社などが対象。

 

 

 

 

 

 

 

 

4-9 リスクプレミアム

 

信用度合いで金利が変わってくる

 

金利は信用度合に応じて加味される「リスクプレミアム」によって変わってくる。

 

信用度が低いとリスクプレミアムが高くなる。

 

銀行の貸出金利は、元金や利子が返ってくるか、信用度合いで変わる。

 

 

貸したお金が返ってこない→信用リスク

信用リスクが高いと、金利上乗せ。

 

その上乗せ金利をリスクプレミアムという

 

ほかに、価格変動リスク、財政リスク、流動性リスク。

 

 

「プライムレート」・・銀行の最優遇貸出金利のこと。

(借りる方から見ると、最も有利な借入金利のこと。)

 

1年以下を短期プライムレート

1年以上を長期プライムレート

現在は短プラの出番は少ない。

大企業向けは「スプレッド貸出」

 

 

TIBORを基準に信用度に合わせて金利を決めるやり方。

 

リスクプレミアムは貸し出す「期間」にも左右される。

1年より10年の方がリスク高い。

 

流動性リスク・・市場での売買しやすさ、換金しやすさ

 

不確定要素が高いほど金利が上がり、資金調達コストは上がる。

 

 

 

 

 

 

 

4-8 米金融政策

 

米国の金融政策が日本の金利を動かす

「世界の中央銀行」ともいわれる米国の中央銀行、FRBの金融政策も、日本の金利に影響を与える。

 

 

各国の「中央銀行」の役割

自国の金利を適正な水準にコントロールし、物価や金融システムの安定に努める。

米FRBは世界に影響を与える。

 

新興国と米国の経済は切り離されている「デカップリング論」はリーマンショックで否定された。

 

リーマンショック後、協調利下げ。

 

世界の金融市場の大混乱に対応するため。

 

FRBの利上げの「時期」と「幅」が世界経済の命運を握っている。

 

米は、まだ住宅バブル、信用(クレジット)バブルが崩壊したあとの治療、療養期間。

FRB金利の動きは日本の金利にも影響する。

 

 

 

4-7 株と金利

株価↑ 金利↑

理由 株価が上昇すると債券を現金化して株を買いたい人が増える。

 

債券売りが進むと債券価格は下がり、金利は上昇。

「株から債券へのシフト」という表現があるが、実際には「株を売る投資家」と「債券を買う投資家」は別のことが多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

4-6 為替と金利

 

円高

→輸入品の価格下落

→国内製品も対抗して物価下落

金利低下

 

円安

→金利上昇

 

逆に金利も為替に影響を与える

1国の金利が上がれば、その国の金融商品を買うためにその国の通貨に変える。

 

 

 

 

4-5 財政政策

 

財政政策でどのように動く?

財政政策が拡張か緊縮か、国債が増発されるかどうかで、長期金利が動く。

 

「財政」は金利に大きな影響を及ぼす。

財政とは、政府が税金を使って国民生活に役立つサービスを行なう活動。

 

税金の使い道

 

・年金、医療社会保障

・教育

・道路など公共事業

・防衛

 

 

「マクロ経済政策」

国の経済全体に影響を及ぼす政策

 

①日銀 金融政策 短期金利に影響する

②政府 財政政策 長期金利に影響する

 

→なぜなら国債の発行方針は財政政策で決まるため。

 

国債の利回りは長期金利の指標。(新発10年物)

 

 

財政政策

①財政拡張(財政出動)

②財政緊縮

 

 

 

 

4-4 資金供給オペの種類

 

金融政策はどう作用する?

世の中の金利のうち、とくに短期金利は、日本銀行の金融政策に沿って動いている。

 

景気は良くても悪くても、物価の上昇、下落につながる。

 

「景気の行きすぎ」を押さえるために日銀の「金融政策」がある。

 

インフレ時→金融引き締め

デフレ時→金融緩和

 

 

★資金供給オペレーション(オペ)

①共通担保オペ

国債、社債などを値担保(担保の一種)として資金供給。

 

②国債買い切りオペ

日銀券(お札)発行残高を上限に日銀が長期国債を買うことで資金供給。

 

③国債買い現先オペ

国債を売り戻し(買った債券を再び売ること)条件付きで日銀が買うことで資金供給。

④国庫短期証券買い切りオペ

国庫短期証券を日銀が買い入れて資金供給。

 

 

★資金吸収オペ

 

・手形売出オペ

・国債売り現先オペ

 

公定歩合の性格は、銀行から見ると「天国から地獄に」

 

昔は市場より安く借りれたので、補助金のようだったが、今は市場より高く借りることになるので、罰則。

日銀にはお金が余っている。

しかし信用力の低いところには貸さない。

 

貸し倒れ、不良債権になるのを避ける。

 

景気が悪いので借りたがる企業や家計は少ない。

→「信用創造が活発でない」という。

 

民間銀行の日銀当座預金には「死に金」が積み上がっている。

 

91年以降「預金準備操作」は行なわれていない。

 

銀行は日銀の口座に一定の割合入れなくてはいけない

この義務を「準備預金制度」という。

 

預け入れる一定の率→ 「預金準備率」

預け入れる最低金額→ 「法定準備(所要準備)」

 

例:預金残高が2兆5000億円、1.2% 300億円

 

銀行は近年法定準備を上回る額を預けている。超過準備。

→世間の銀行からお金を借りたいという資金需要が弱いことを示している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4-3 物価と金利

 

物価の上昇、下落はどう影響してくる?

 

物価上昇と金利上昇の関係を理解すれば、両者の変動によってお金の価値がどう変化するかがわかる。

 

物価↑ 金利↑

 

普段利用している預金や住宅ローンは物価の変動が加味されない「名目金利」

 

金利上昇、と言っても、物価も上がっている場合があるので「実質金利」で見る方がいい。

実質金利=名目金利-物価上昇率

 

例1:

定期預金の金利5%。物価上昇率3%

100万円が1年後は105万円。

100万円の車が、1年後は103万円。

今車を買ったらお金は残らないが、定期にして1年後に車を買えば2万円残る。

名目金利が物価上昇率を上回っている(お金の上昇がモノの上昇より多い)とお金は実質的に増える。

 

例2:

定期預金の金利1%。物価上昇率3%

100万円が1年後は101万円。

100万円の車が、1年後は103万円。

車は買えない。

 

名目金利が物価上昇率を下回っている(お金の上昇がモノの上昇より少ない)とお金は実質的に減る。

景気悪化、名目金利は下がりやすい。

 

景気悪化、金利が上がるインフレは、スタグフレーション

→かなり悪い経済状態。

 

 

例3:

定期預金の金利1%。物価上昇率-2%

100万円が1年後は101万円。

100万円の車が、1年後は98万円。

 

3万円の金利(3%)と同じこと。

デフレの状態。

 

一見家計が助かるように見えるが、企業の収益が減るので結局は悪影響。

名目金利が物価上昇率を上回っている(お金の上昇がモノの上昇より少ない)とお金は実質的に増える。

 

近年の状況。

預金金利がインフレ率(消費者物価指数)を上回っている。