2-5 短期金利の指標TIBОR

 

短期金利の代表的な指標は?

→日本の指標はTIBОR、国際的な指標はLIBОR

 

短期金利の二つの金利

 

・ 「翌日物」の指標

→無担保コール翌日物金利

 

・ 「ターム物」の指標

「TIBОR」(タイボ)(Tokyo InterBank Offered Rate)

 

 

全国銀行協会(全銀協)公表のレート。

リファレンスバンク(調査対象の17の金融機関)の、想定上の他行への貸出金利の平均

 

 

ユーロマネー(ユーロカレンシー)

 

×欧州通貨

〇「海外に流出した通貨」という意味

 

外国の金融機関に預けられているか、外国に住む人々が保有。

 

 

海外にあるドルは「ユーロドル」

海外にある円は「ユーロ円」

 

・ ユーロ円TIBОR・・海外市場の円の資金取引の金利

・ 日本円TIBОR・・日本市場の円の資金取引の金利

 

 

「スプレッド貸出」

 

銀行が企業に、基準金利TIBОRに銀行の利ざやを上乗せして貸し出すこと

 

日銀が金融緩和→金利低下

 

TIBОRの低下ペースは実勢金利よりやや遅れることも。

 

 

国際的な短期金利の指標

LIBОR(ライボ)(London InterBank Offered Rate)

 

ロンドン市場での銀行同士の平均貸出金利。

デリバティブ取引の基準金利として使われる

 

デリバティブ取引とはリスクを低下させたり、高収益を追求するために新しく考案された手法

 

 

10年6月

円LIBОR・・0.24%

円TIBОR・・0.38%

 

→日本市場で円を借りるより、ロンドン市場で円を借りる方が安い、ということ。

 

 

 

 

 

 

2-4 短期金融市場②オープン市場

 

金融機関以外も参加するオープン市場

オープン市場は銀行以外も参加、5つの主な取引がある。

 

①CD市場

CD(譲渡性預金)の売買が行なわれる

 

定期預金で、満期になる前でも自由に売買できる預金証書のこと。

「流動性がある」=いつでも適正価格で換金できる金融商品。

 

「CDは流動性のある大口の定期預金」

CDを購入すると、預金と同じように利息や元本を受け取る。

 

②CP市場

CP(コマーシャルペーパー)の売買。

 

優良企業が資金調達をするため発行される短期の社債

昔でいう約束手形。

 

 

③TDB市場

TDB(国庫短期証券)の売買

国債のひとつ。

 

規模は5つの中で一番大きい140兆円。

 

国債の償還、借り換えをスムーズにするため。

 

・国債の償還・・満期日に元本を返すこと。

・借り換え・・償還のお金を確保するためにまた国債を発行すること。

 

 

④債券レポ市場

 

レポ(現金担保付・債券貸借取引)

・・現金を担保に国債を貸し借りする取引

 

 

・債券を貸す側・・担保として現金を受け取る(資金を調達する)

・債券を借りる側・・現金を差し出す(資金を運用する)

 

 

⑤債券現先(げんさき)市場

債券を売る。

 

あとで決められた価格で買い戻す。

その間資金を調達できる。

 

 

 

 

 

財務分析 8つの指標 「収益力」

8つの指標
「収益性」チェック
⑥ ROA Return On Asset
総資産・利益率
 
「経営上手」か。「規模に合った利益」を出しているか。
「儲け力」を見る。利息、利回り。
企業が使える資産に対する利益。
最終利益 ( 税引後利益 )
    総資産
上場企業平均 2%


⑦ ROE Return On Equity
自己資本(=株主資本)・利益率
 
「分け前力」を見る。
最終利益 ( 税引後利益 )
自己資本(株主資本)
上場企業平均 0%。 5%で及第点。10%で優良。20%で国際的に優良。
①、②は、元手に対する利回り指標。資本利益率。


⑧ 売上高・営業利益率
「商売上手」か。「本業の収益力」を見る。
※収益力を見るのに、3つの中で一番大事な指標。
営業利益率
 売上高
平均 3%。10%で優良。


引用:

新版 あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編 新版 あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編
(2006/05/26)
渋井 真帆
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2-3 短期金融市場①インターバンク市場

 

金融機関が参加するインターバンク市場

インターバンク市場は銀行間の資金取引を行うところ

 

短期金融市場

株などと違って当事者間で直接取引する「相対(あいたい)取引」

双方が納得すればどんな金利でも成立。

 

インターバンク市場

銀行、信用金庫、証券会社、保険会社、短資会社

都市銀行は貸出先が多いので資金が不足しがちだが、地方銀行は

運用先が見つからず余っている場合がある。

 

他の銀行に貸して金利を稼ぐ。

 

コール市場

・有担保コール市場

無担保コール市場・・日中コール取引(当日返済)、翌日物、1年物、

 

コール市場の取引手法

・銀行どうしの直接取引(恋愛)・・ダイレクトディーリング(DD)

・短資会社経由の取引(お見合い)

 

 

短資会社とは

→短期金融市場で銀行間の賃借取引の仲介をしたり(トレーディング)

実際にお金の貸し借りや売買の相手方となる(ディーリング)会社

 

多くの銀行と取引のある短資会社を通した方が有利な条件の取引相手を
見つけやすいメリットがある。

 

日本には、上田八木短資、セントラル短資、東京短資の3社。

 

オープン市場

銀行、証券会社、商社などの大手企業法人、地方自治体など。

金融機関以外も参加できるので「オープン」

 

 

 

 

2-1~2 金融市場

 

金融市場で貸し手と借り手がお金を融通し合う

銀行が金融市場でお金の運用や調達を行なうことで、金利が形成される。

 

「金融市場」

銀行をはじめ金融機関がお金のやりとりを行なう場所。

 

ここの金利によって、各銀行の預金の金利などが変わる。

卸売市場からの仕入れ値みたいなもの。

 

 

金融市場は取引期間の長さで2つに分かれる

短期と長期の金融市場をよく理解しておくことが大事

 

①短期金融市場(マネーマーケット)

1年以下の取引

 

短期金利

・翌日物(よくじつもの)オーバーナイト物

・ターム物(3カ月物など)

 

②長期金融市場(資本市場)

1年以上の取引

長期金利

 

例・短期市場で日銀が金利強含み(上昇傾向)というニュース。

→3年預けるなら、固定金利より、変動金利の方がおとく。

 

 

 

1-8 金利を読めれば経済を読める

 

金利に詳しくなると得をする

金利の知識は個人の資産運用からビジネス上のチャンス発見やリスク管理まで、さまざまな場面で生きる。

 

自己責任で資産形成を行なう時代。10年、20年後に差が出る。

運用成績を上げるために金利に強くなることは大切。

 

金利動向は日本経済がどうなるかを読み解くことにもつながる。

 

09円天事件 健康食品販売L&G

年36%の高配当とうたった巨額詐欺事件

 

金利の知識があれば、危ないと分かったはず。

 

 

 

 

1-7 金利と企業

 

「金利の変動は企業にどんな影響を与える?」

上がると企業の利払い負担が重くなる。

下がると企業の設備投資が活発化し、社債発行も増える。

 

利払い負担が増えても、スピードを優先させて「設備投資」の資金を借りることを選ぶ。

「運転資金」も。

 

大企業より中小企業の方が利払い負担が大きい。

→株式発行で資金を集められる

→優良で内部留保金がある

 

無借金経営・・銀行借入や社債発行せず、資本金と内部留保金で経営すること

 

トヨタ、任天堂、パナソニック、キャノン、武田薬品工業など

 

総資産・・借金も含めたすべての資産のこと

有利子負債・・金利を付けて返す必要がある借金

 

借入金依存度=

有利子負債 ÷ 総資産 ×100

 

25%以下がのぞましいとされているが50%を超える中小企業も多い。

 

 

銀行の貸出先

1位 中小企業 42%

2位 個人 27%

3位 大企業 21%

4位 地方公共団体 5%

 

金利が下がってくると企業が社債を発行するチャンス

 

メリットが出る

・固定金利にすればその低金利のまま、お金を調達できる

・不況時銀行は貸し渋りをする場合があるのでそれに備えておく

 

社債を購入するのは銀行、保険会社だったが、個人向け社債も1兆円突破。

 

預金や国債より金利が高いのが人気の理由

運用先を探す個人と、資金調達したい企業のニーズがかみ合った。

 

 

 

 

1-4~6 固定、変動。

 

固定金利と変動金利の特長を押さえよう。

固定金利は金利が最初から最後まで変わらない。

変動金利は金利が一定期間ごとに変わる。

 

固定金利

金利一定。定期預金、個人向け国債(5年物)

 

変動金利

世の中の金利に合わせて変動。個人向け国債(10年物)

 

・金利が上がりそう

金融商品・・変動

ローン・・固定

が有利。

 

・金利が下がりそう

金融商品・・固定

ローン・・変動

が有利。

 

なぜ預ける金利よりも借りる金利が高い?

預金者に支払う「預金金利」など、資金調達コストに銀行の利益が上乗せされて、企業や個人に貸し出す「貸出金利」が決まる。

 

お金を貸したい人と、借りたい人の仲を取り持つ金融仲介機能を担う。

 

普通、長期になるほど金利が上がる。

(2012年2月現在、逆転している。)

 

金利の変動は個人にどんな影響を与える?

金利上昇はお金の運用にプラス、低下は住宅ローン利用者など借りる側にプラスとなる。

 

 

 

1-2~3 金利の種類

 

金利を表す言葉は4種類ある。

「金利」のほかに、「利率」、「利息」、「利子」、という言葉がある。

どう使い分けられている?

 

元手

「元金」借りたお金

「元本」投資したお金

お金の賃借料。

 

「金利」マクロ経済(国全体)の観点からにも使われる

 

「利率」金融商品の利益の割合

 

「利息」預金

 

「利子」債券(お金を借りるために発行する証書)

 

年利、月利(げつり)、日歩(ひぶ)

ベーシスポイント

 

1bp 1bps=0.01%

短期金融市場 0.01% 1bp単位

長期金融市場 0.005% 0.5bp単位

 

金利が15ベーシス上がった(0.15%上がった)

各銀行の優遇金利には注意。

「年6%」とあっても「1カ月物(預入期間1カ月)」の場合がある

 

 

 

 

 

1-1 金利とは

 

金利ってそもそも何だろう?

金利は経済が活発に動いていくために、なくてはならない大切なしくみ。

お金の賃借料(レンタル料)

 

お金の余っている経済主体(企業や家計などの経済活動の担い手)から、お金の足りない経済主体が、お金を借りた時に払う賃借料

・1200年前の古代日本「出拳(すいこ)」

稲を貸して収穫期には上乗せして返してもらう制度があった。

 

・住宅ローン

2,500万円ローン

25年。金利3%。月々12万円。

 

金利 1,056万円

支払総額 3,556万円

 

お金を借りる手段があるから・・

・家計は、高価なモノやサービスを手に入れて豊かな生活を送れる。

・企業は、サービスを提供して利益を上げ経営を維持、発展させられる。

・銀行は、金利で利益を得られる。

 

経済を活性化させているのが金利のしくみ。