5-5 97年アジア通貨危機 – 楽しく経済

5-5 97年アジア通貨危機

 

通貨危機

経済成長の鈍化、政治不安をきっかけに海外から投資された資金の引き揚げや、海外企業の撤退が一挙に起こることで始まる。

その国の通貨を手放す動きにその動きをファンドが察知してさらに売りを仕掛ける。

政府もコントロール不可のところまで下がる。

 

97年 アジア通貨危機

タイ・バーツ

対ドルは固定相場制、それ以外の通貨は対ドルを基準に算出するクロスレートによる変動相場制。

タイ好景気。日本企業の直接投資して日本への輸出も拡大。

円高、バーツ安、円高・ドル安だった。

 

95年に流れが変わる。

95年1ドル79円 → 97年127円まで円安ドル高(バーツ高)が進む。

 

日本への輸出競争力が弱まりGDPも急激にマイナス成長へ。

タイ経済は悪いのに、バーツ高という矛盾が生じた。

経済が悪いので資金が引き揚げられた。株、不動産、急落。

 

バーツ高にファンドが目を付けた。売りをしかける。

政府は必死に買い支えたが、無理になり変動相場に移行。

 

さらに暴落。ファンドは買い戻して利益を得た。

インドネシア、韓国通貨にも飛び火、暴落。経済悪化。

 

各国を救ったのはIMF。

3カ国に計3兆円の融資。

08年アイスランド、ウクライナ、ハンガリーにも巨額融資。

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(今日のひとこと)
ファンドがよく叩かれるのは、他人や一国を不幸にした上での利益享受だからかな・・。

でも、一応、資本主義の自由競争のルールの下でやっていてその競争に勝っただけだとも思う。。

(日本人受けしないけど。)

 

スポーツの世界では勝者は称賛されるのにファンドは叩かれるんだなあ。

プレーヤーはゲームしていいよ、って言われたからゲームに参加したに過ぎない気もする。

ゲームのプレーヤーが悪いのではなくてそのゲーム自体を作ったことや、ゲームのシステムに問題があるんじゃないのか。

 

あと、今後も世界のあちこちで金融危機が起こっていきそうだけど、IMFの資金が枯渇することはないのだろうか。。

米、欧がぐらついて、日本も他人ごとではない気がする。