3-6 近年の金融政策

 

景気悪化対策、デフレの歯止めとして

99年2月~00年8月(1年半)

「ゼロ金利政策」

 

政府は解除が早すぎるとしたが

多数決で解除決定。

 

 

01年ITバブル崩壊

01年3月に政府「戦後初めてのデフレ」

 

本格的な不況

解除のタイミング悪かった。

 

日銀は「解除の失敗」を認めず、またゼロ金利にもどることなく

今度は「量的緩和」政策を導入。

 

「CPIの上昇率が0%以上になるまで」

01年-06年

各銀行の日銀口座残高

4兆円→35兆円に

 

企業向け貸し出しに回る?

08年 世界経済悪化。

 

 

新型オペ

2日以上の資金取引にも10兆円導入→金利低下。

 

10年 新型オペ拡充

10兆円足して合計30兆円

 

 

10年10月「包括緩和」導入

・金利0%~0.1%

・物価が安定するまで続ける

・資金買入等の基金

 

国債、CP、社債、EFT、REITなど多様な金融資産の買い入れを決定。

基金を創設。

 

 

 

 

3-5 政策委員会

 

「政策委員会・金融政策決定会合」

金融政策を決定している日銀の最高意思決定機関。

 

日銀・総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の9人。

多数決で決議される。

 

金融政策決定会合は月1回。

2013年4月まで白川総裁。

 

政府の「財政政策」とも関連するため

内閣府と財務省からも参加。

 

しかし投票権はない。

→日銀の独立性を保つため。

 

決定事項は市場にインパクトを与えるため

ブラックアウトルール(守秘義務)がある。

 

会合2日前から発表まで外部に金融政策について話してはいけない。

 

 

 

 

 

3-4 公開市場操作(オペ)

 

日銀 公開市場操作(オペ)

 

①資金供給オペ

日銀がインターバンク市場に資金を供給。

 

国債、地方債を担保に、銀行に資金を貸し出したり、国債を買い取ったりする。

民間銀行の日銀当座預金口座に資金を振り込む。

 

通常、インターバンク市場から資金の不足分を補っているが、日銀からの資金があれば借りる必要がなくなり、市場の金利は下がる。

 

②資金吸収オペ

日銀がインターバンク市場から資金吸収する。

 

日銀が手形を振り出したり(手形を売ったり)国債を売ったりする。

 

銀行は日銀の口座に資金を振り込まなくてはいけない。資金が少なくなり市場から借りる。

金利は上がる。

 

★日銀金融政策

「預金準備率操作」

 

銀行は顧客から預かった預金の一定の率を日銀口座に預ける義務がある。

この「預金準備率」をコントロールして資金を操作する。

 

91年を最後に実施されていない。

・企業の資金需要が減り、銀行は資金を余らせているため。

 

・日銀は金融市場に資金供給していて、兆円が銀行の日銀口座に預けられたまま。

 

—————————————-

(ひとこと)

銀行の日銀口座にはお金が余っているなんて。。

国民は生活に困っているのに。

いい使い道がないのだろうか。

 

 

 

 

 

3-3 景気にブレーキとアクセル

 

日銀「公開市場操作(オペ)」

★インフレ時 → 「金融引き締め」を行なう。

 

無担保コール翌日物金利、誘導水準引き上げ↑

→資金を吸収する。(減らす)

→金利上がる↑

物価上昇の抑制

 

翌日物だけでなく、1週間、1か月、1年にも影響し、世の中の金利全体が上昇↑

 

企業、個人があまりお金を使わなくなり、景気に「ブレーキ」がかかる

 

 

★デフレ時 → 「金融緩和」を行なう。

無担保コール翌日物、引き下げ↓

→資金を供給する。(増やす。)

→金利下がる↓

物価下落の抑制

 

企業、個人がお金を使うようになり、景気に「アクセル」

 

——————————————–

(ひとこと)

今はデフレだけど、もう金利下げるとこまで下げてるから、これ以上下げようがない。

政策は行き詰まってるのかな。。

 

 

 

 

3-2 無担保コール翌日物金利

 

日銀の「政策金利」とは、

=「短期金融市場」における資金取引の一つ、

 

無担保コール翌日物(よくじつもの)金利(オーバーナイト物)」のこと。

 

短期金融市場」・・1年以下の資金取引(お金の貸し借り)

マネーマーケットとも呼ばれる。

 

短期金融市場は

 

①インターバンク市場

②オープン市場

 

の二つに分かれる。

 

 

インターバンク市場

銀行、証券会社など金融機関だけが取引に参加。

 

コール市場」が中心。(取引高15兆円)

「呼べばすぐにお金が戻るほど短期間」という意味。

 

 

コール市場の中心的な取引が「無担保コール翌日物」。

→無担保でお金を借りて、翌日には返す。

 

銀行の営業活動の中で資金の過不足をここで調整する。

 

お金が余っている銀行は、足りない銀行に

1日だけお金を貸して、金利を稼ぐ。

 

 

 

オープン市場

金融機関に加え、商社、メーカーなどの一般企業、地方自治体も参加できる。

様々な資金ニーズに合わせて、金融商品が取引される。

 

・TDB(国庫短期証券)

・CD(譲渡性預金証書)

・CP(コマーシャルペーパー)

 

 

 

日銀は、①インターバンク市場に対して

公開市場操作(オペ)」を行なう。

 

「無担保コール翌日物金利」を、日銀が目標とする金利水準に誘導する。

 

金利は、銀行同士の自由取引なので、日銀が無理やり金利を決めつけることはできない。

 

そこで、巨額のお金を供給したり、吸収して操作する。

 


 

(ひとこと)

今日のところはおもしろかった。

 

今日出てきた言葉は、言葉だけはよく聞くけど、内容が初めてわかった。

日銀がお金を入れたり出したりして金利を操作してたのか。

 

 

 

 

 

3-1 金融政策とは

 

景気は良くなったり、悪くなったり循環する。

良くなりすぎるとインフレ、悪くなりすぎるデフレ。

 

経済に大きなダメージ、回復に時間がかかる。

→景気変動の波を「政策」によってコントロール

 

「政府」と「日本銀行」が行なう2つの「経済政策」

 

金融政策

日銀が金融面から経済を安定させる。

金利上げ下げ、お金の量の調整。

 

財政政策

政府が財政面から経済を安定させる。

 

歳出・・予算を使う。公共事業の拡大、縮小。

歳入・・財源を集める。増税、減税。

 

 

★日銀金融政策の目的

 

1.「物価」の安定 ←最優先課題

cf 世界の中央銀行の多くは「1.物価の安定」を重要な役割とする。

 

FRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」

・日銀「物価の番人」と呼ばれる。

・「通貨の価値」は

インフレになると下がる。

デフレになると上がる。

 

 

物価安定=自国通貨の価値を安定させることにもなる。

インフレ目標(インフレターゲティング)が設定。

 

物価上昇率

 

★日銀金融政策の方法

「政策金利」の上げ下げ。

→世の中のすべての金利の基準になる金利のこと

利上げ、利下げ。

 

 

2.「金融システム」の安定

金融システム・・銀行などの金融機関を中心とした「お金の流れ全体」を指す

 

「お金は経済の血液」

お金(血)の流れが止まると、経済活動全体が悪化しマヒしてしまうことも。。

金融市場が不安定になると、金融機関がお金の貸し借りをする「金融市場」にお金を供給。

 

不安心理をやわらげる。

 


 

(ひとこと)

日銀の最大の役割が「物価の安定」を目標にしてたのは知らなかった。

 

 

 

2-11 インフレ・デフレ

 

〇「ゆるやかなインフレ」が経済に望ましい。

× 急激なインフレ、デフレ・・経済に悪影響

 

物価・・モノやサービスの価格水準

モノ需要>供給

物価も上がる。

 

通常の経済であれば、物価上昇は悪いことではない。

給料も上がるため。

 

年2%弱の物価上昇率が望ましい。

 

インフレ(インフレーション)

物価上昇ペースが加速する。景気が良くなりすぎる。

 

「インフレ期待」この先もインフレが続くだろう

 

急激なインフレがよくない理由

・給料の上昇が追いつかない。

・預金増加が追いつかない。

 

ハイパーインフレ

物価が1年で何倍にも上昇する

2006年 ジンバブエ 独裁政権 経済崩壊

年率2億%

 

 

★デフレ

モノの値段が下がり続ける。

悪循環→デフレスパイラル

「物価は経済の体温計」

 

全国消費者物価指数(CPI)

消費者(全国の世帯)が購入するモノの総合的な価格を指数化したもの。

 

2005年の数値を100として何%上下したか発表。

・総合

コア(生鮮食品を除く総合)

→天候の影響を受けにくいので一般的。

原油価格に影響されやすい。

 

・欧米型コア(食料・エネルギーを除く総合)

 

②GDPデフレーター

名目GDP÷実質GDP

 

CPIは下落。デフレ状態。

・雇用・所得回復弱く消費伸びず

・中国からの安価な製品、値下げ競争

・デフレ定着。「もっと下がってから買おう」消費者の買い控え。

 

長期的、慢性的なデフレは人口面。

過剰供給。過小需要。

 

 

 

 

2-10 株価(景気の先行)

 

「株式の発行」・・有力な資金調達手段

「株主」・・出資した人

「株券」・・株主であることを証明する書類

 

株主は「株主総会」に出席して、経営方針の意思表明をする。

企業が儲けた利益の一部を「配当」として受け取る。

 

業績が悪い場合は配当がない。

倒産すると出資金は戻らない。

 

・株式発行

→返済する必要がない

 

・銀行から借りる

→返済する必要がある。返済日に左右される。

 

「証券取引所」

株式が売買される場所。7つ。

 

東京・大阪・名古屋・福岡・札幌・ジャスダック

TOKYO AIM取引所(東京、ロンドン共同のプロ向け市場)

 

「証券会社」株式売買の注文を取り次ぐ会社。

証券取引所に各証券会社からの注文を集める。

 

「株式上場」

企業の株式が、証券所で売買されるようになること

 

厳しい基準。健全な企業だけを上場させて投資家を守る。

 

〇上場の理由

・資金が集めやすくなる

・企業の信用度、知名度が上がる。

 

上場時に多額の費用(約2000万)もかかり、維持費もかかる。

公認会計士への監査報酬。

 

「有価証券報告書」・・事業内容資料

 

「公募」・・新規に株式発行

「売りだし」・・既存の株式を売り出す

 

「株価」・・株式につけられた価格

 

株価は買いたい人、売りたい人との需給バランスで日々変動する。

 

株価を決める大きな要素は業績

・業績↑の「兆し」 株価↑

・その国の景気↑の「兆し」 株価↑

 

「兆し(きざし)」が現れた段階で売買に影響する。

景気より先に株価が動くので、株価は「景気の先行指標」と呼ばれる。

 

日本の株式市場全体を表す

→「日経平均 株価225」

 

上場企業2200社。

 

東京証券取引所第一部

1680社の中から、225社を選んで計算

毎年10月に一部入れ替え。

 

 

★日経平均株価

89年12月29日 38,915円(最高値)

90年バブル崩壊 1万5千円台まで下落

08年10月28日  6,994円(最安値)

 

 

★企業数 約436万社

大企業(300人~) : 1万2千(0.3%)

中企業(20~300人): 55万 (13%)

小企業(~20人)  :380万 (87%)

 

 

 

 

2-9 金利(景気の良し悪し)

 

経済活動活発→金利が上がる。

 

「金利」

お金を借りた時に払う、レンタル料、賃借料のこと。

 

金利変動するのはお金の需給バランスが変動するから

 

・好景気・・企業が設備投資など、お金の需要が増える

⇒金利が上がる↑

 

・不景気・・企業がお金を借りない、お金の需要減る

⇒金利が下がる↓

 

日本は景気を反映し、超低金利

 

 

 

2-8 為替レート(国の経済力)

 

通貨も需給バランスで決まる。

今は円高・ドル安

=ドルの供給>需要。

 

市場にドルが余っていて、ドルを売って円を買いたい人が多い。

 

経済成長を遂げる国の通貨は上がる

→景気がよくモノが売れるので外国企業が参入。

外国人投資家もその国の株や債券を買う。

 

日本も戦後GDPの成長と共に円高に。