2-4 資本収支は12兆円赤字

 

「資本収支」・・(12兆円赤字。流出。

日本と外国との間で資本(お金が)どのように流れているかを表したもの。

 

資本の流入、流出額。

・日本人投資家 米国債を買う

(=日本からお金が出ていく→資本収支マイナス)

 

・外国人投資家 日本国債を買う

(=日本にお金が入る→資本収支プラス)

 

09年 12兆円の赤字

(=外国が日本に投資しているより、日本が外国に投資している額が多い)

 

「証券投資」・・(21兆赤字

株式や債券などの金融商品を購入すること。

・「対外証券投資」・・日本投資家、外国債券購入

・「対内証券投資」・・外国投資家、日本債券購入

 

 

日本より外国の景気がいい→対外、が増える

外国より日本の景気がいい→対内、が増える

 

09年 対外、対内ともにマイナス。

=外国への投資が増えて、日本への投資は減っている

 

「直接投資」・・(6兆円赤字

 

企業が外国に工場を建てる、外国の不動産を取得して、お金が外国へ動くこと

・「対外直接投資」・・日本企業が外国に投資

・「対内直接投資」・・外国企業が日本に投資

 

日本に入ってくる投資額より、外国に出ていく投資額が6倍大きい。

=大幅な赤字

 

☆日本への投資に積極的でない理由

・市場に将来性がない

・事業のコストが高い

・競合環境が厳しい

 

③金融派生商品(デリバティブズ)・・(1兆円黒字)

 

④その他・・(13兆円黒字)

・企業の貸付、借入

・銀行が外国の本支店の間で行なう送金

 


 

(ひとこと)

日本のお金が海外に流れていっている。

投資するのはいいけど、ちゃんと回収、かつ利益ペイできるのかな。

 

 

 

 

2-3 経常収支は13兆円黒字

 

日本「経常収支」

09年 13兆円の黒字

 

貿易収支・・(4兆円黒字)

輸出額 - 輸入額

 

サービス収支・・(2兆円赤字

サービス取引

運賃、保険料、通信費、旅行費用、特許料

 

所得収支・・(12兆円黒字)

「投資収益」

海外に投資して得られた収益。

半分以上が、機関投資家が購入した外国債券の利子

 

日本企業が海外の事業法人や子会社から受け取る配当

個人投資家が購入した外国株式の配当金

 

④経常移転収支・・(1兆円赤字

外国への無償援助や国際機関への拠出金など。

 


(ひとこと)

財政赤字と言われているけれど

経常収支は黒字なんだな。

 

 

 

 

財務分析9つの指標

☆財務分析
9つの指標
①売上総利益率(粗利益率)
②営業利益率
③営業レバレッジ
= 貢献利益(粗利-変動費)÷ 固定費
④財務レバレッジ(自己資本率)
= 株主資本 ÷ 総資本(有利子負債 + 株主資本)
⑤総レバレッジ
=営業レバレッジ×財務レバレッジ
⑥負債比率
=総株主資本 ÷ 総負債
⑦当座比率
=当座資産 ÷ 流動負債
⑧流動比率
=流動資産 ÷ 流動負債
⑨株主資本利益率(ROE)
=純利益 ÷ 株主資本
(by金持ち父さんの投資ガイド 上級編―起業家精神から富が生まれる

2-2 国際収支

 

国際収支・・一国の家計簿

財務省、日本銀行が毎月作成、公表

 

日本の貿易収支、日本と海外での投資の増減が分かる

 

経常収支

モノ、サービスの取引額

 

資本収支

お金のやりとり。資本の取引額。(投資)

 

・経常収支→黒字

・資本収支→赤字

 

日本へ入ってきたお金より、外国に流れるお金が多い。

貿易によって外国から得たお金を使って、外国に積極的に投資して国際収支全体は均衡。

 

外貨準備増減

外貨準備・・通貨当局(政府や中央銀行)が保有している、外国の通貨(がいか)や金など。

財務省

・一般会計

・特別会計←ここで外貨準備は管理。

 

★「外貨準備」が変動するとき

①市場介入

円安にしたければ、円を売る。

円高にしたければ、円を買う。

 

②外国債券の利子の受取

日本の外貨準備は米国債を大量に保有。

これの利子。

 

③為替相場の変動

保有する米国債を円換算すれば変動する。

 

 


(ひとこと)

市場介入したけど、結局また元通りだったら

単なる無駄遣いに終わるのでは?

 

 

 

 

2-1 GDP

 

国の総合的な経済力はGDPで表す

GDP=国が生み出した「付加価値(粗利)」

 

パンが消費者に渡るまで

・農家:小麦を生産して300円で販売(300円)

・製粉会社:小麦を300円で仕入れ、小麦粉にして500円で販売(200円)

・メーカー:小麦粉を500円で仕入れ、パンにして700円で販売(200円)

・小売店:パンを700円で仕入れて、消費者に800円で販売(100円)

 

付加価値の合計 300+200+200+100=800円

 

名目GDP

国内の付加価値を単純に合計したもの

 

実質GDP

名目GDPから、物価変動の影響をのぞいて調整したもの。

社会全体の物価が上がると、GDPも上がるが、その分は経済規模の拡大とは呼べないので除く。

 

日本のGDP

2009年度

名目474兆円、実質527兆円。

 

・高度経済成長期(57-72)

成長率:名目9.5%、実質15.5%

 

・安定成長期(75-89)

名目:7.6%、実質4.4%

 

・低成長期(91-)

名目:0.3%、実質0.8%

 

1968年~2010年 世界2位

2050年には8位ぐらいの予想。

 

一人当たりGDPは17位。

新興経済諸国(エマージング諸国)の台頭。

 

 

 

 

1-11 サンクコスト(取り戻せない費用)

 

「サンクコスト(埋没費用)」

取り戻すことができないコスト(お金、時間)のこと。

 

「サンクコストの呪縛」

過去に投資したお金や時間が惜しくて、合理的な判断ができないこと

 

例1. 群馬県 八ツ場(やんば)ダム

総事業費4600億円のうち、7割の3200億円がすでに使われていた。

政権交代でダム建設続けるか?の議論に。

 

経済学の合理的な選択→「サンクコストをきっぱりあきらめる。」

これまでのコストは無視して、この先これからかかる費用と利益をはかりにかけて利益が多ければ継続する。

 

例2. レンタル映画がつまらなくても、お金を払ったんだから最後まで見る。

レンタル料金はもう取り戻せない(サンクコスト)

 

合理的判断→サンクコストをあきらめる。

見るのをやめて他のことをする。


(ひとこと)

今まで日常生活でもこの「サンクコストの呪縛」は結構あった。

服でも高かったら、あんまり着てないけどおいておく。

本もせっかく買ったから、いまいちでも最後まで読む。など。

 

でも最近は、損切りできるようになってきた。

新しく買ったばかりでも、いまいちでこの先着ないな、と思えるなら手放す。

かかった費用(過去)は諦めて「これからの費用と利益」を考えるのが大切なんだな。

FXのポジションでもあるかも。。

 

 

1-10 インセンティブ

 

「インセンティブ」

意思決定の際、行動を変化させる外部からの刺激のこと

 

①報酬、金銭的(アメ)

②ペナルティ(ムチ)

③非金銭的(快適、喜び、名誉)

 

インセンティブをうまく活用できれば、人々を思うように動かすことができる。

 

 

 

1-8 希少性とトレードオフ

 

経済学

→経済活動の法則性を見つける学問。

 

人間の「選択」に注目。

人は、選択する際、自分が最大限の満足を得られる選択肢を選ぶ。

・人間の欲望無限

・地球上に存在する資源(原材料、お金、労働力、時間)→有限

すべての欲望を満たすのは不可能。

選択する。

 

「希少性」

買い手の要求量より、実際の量が少ない状態。

欲望は無限、資源は有限。

 

「トレードオフ」

一方を選ぶと他方を失う

・ナイターを見に行く→好きな野球を楽しむ

・残業する→給料が増える

 

満足度の高い方を選ぶ。

二つの選択肢はトレードオフの関係にある。

 

★経済の基本法則

個人は満足度を高めるために、限られた資源をうまく使う。

企業も、利益を最大化するため、限られた経営資源(ヒト、モノ、カネ)を
うまく使う。

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(ひとこと)

「欲望は無限、資源は有限」というのが当たり前のことなのに、はっ、とした。

 

 

 

 

1-7 自由貿易

 

貿易

自国の得意とするモノを輸出し、不足しているものを輸入して、お互いに利益を得ようとする経済活動。

生産技術の地域的格差。

生産要素の地域的偏在。(鉱物など採掘できる国は限られている)

 

得意分野に特化する。国際分業。

 

アダムスミス

「絶対生産費の理論」

 

モノの価値は生産に必要な「総労働時間」によって決まる。

得意分野の生産性は高いので貿易は理にかなっている。

 

デビッド・リカード

「比較優位の理論(比較生産費説)」

複数の得意分野があったとしても、最も得意な分野の生産に専念して、他は他国に任せる方が効率的。