3-6 金利スワップ

 

金利スワップから金利動向を読む。

金利スワップは変動金利と固定金利を交換する取引。

 

金利スワップ

固定金利の資産と、変動金利の資産の交換

 

変動金利でお金を借りていていると金利が上昇するリスクがある。

金利スワップを利用して変動金利を固定金利に交換してリスク回避。

 

OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)

変動金利の無担保コール翌日物金利と固定金利を交換する取引。

 

外資系金融機関が中心。市場参加者はまだ限られている。

 

 

OIS市場で取引された金利

→「日銀の利上げ、利下げのタイミングや幅を市場参加者が、どう見ているのかを知る手掛かりになる」

 

 

 

 

3-5 金利オプション取引

 

金利を対象とする金利オプション取引

 

オプション取引とは・・

「あらかじめ特定の価格で売買する権利」を取引する

 

身近な金利オプションはキャップとフロア。

 

「デリバティブズ(金融派生商品)」

先物取引、オプション取引、スワップ取引など

 

オプション・・選択する権利

ある商品をあらかじめ「決められた価格」で「決められた期日」に売買する権利

 

コールオプション 期間内に買う権利

プットオプション 期間内に売る権利

 

オプションを買って、権利行使すればメリットがあるときは権利行使する。

メリットがなければ放置。オプション代はムダになり、損になる。

 

例:138円で債券先物を買えるコールオプション 代金は50銭

権利行使期日は139円。

 

オプションを行使して138円で買い、139円で売る。

オプション代50銭を差し引いて、50銭の利益が出る。

 

そのほかのオプション取引

 

①キャップ

金利上昇にふた。

変動金利でも一定以上には上がらない。

 

住宅ローンなど。

ローンの借り手はキャップを買って、そのコストも払っている。

 

②フロア

 

金利が一定より下がらないように。

個人向け国債など。0.05%未満に下がらない商品。

 

 

 

 

 

3-4 先物から金利動向を読む

 

金利・債券の先物取引から金利動向を読む

 

先物は現物の金利水準に大きな影響を与える重要な取引

 

・先物取引・・将来の期日に売買することを事前に契約しておく取引

・現物(げんぶつ)取引・・商品を渡して代金を受取る通常の取引

 

現在は期日前でも売買できる。

差額だけをやりとりする差金決済。

 

リスクヘッジのほかの2つの役割

 

①公正な価格の形成

多くの売り手と買い手が参加するほど価格が妥当な線に落ち着く

 

②資産運用の機会を増やす

金利、債券先物は機関投資家(銀行、証券、保険)が多い。

 

 

「東京金融取引所」

日本で唯一の金融先物の取引所

 

「ユーロ円3カ月金利先物」などが上場。

 

金利先物

金利先物の価格

 

「100-金利(年率%)」で表示

 

金利0.375%の場合

100-0.375%=99.625

 

先物価格の上昇↑ → 金利が低下している

 

 

債券先物

「長期国債先物」が多く取引される。

 

諸条件を標準化した「標準物」という架空の国債が取引対象。

先物価格には将来の金利水準の予想がスピーディーに織り込まれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

財務分析 8つの指標 「成長性」

8つの指標
★「成長性」チェック

① 売上高 伸び率
当期売上高
前期売上高  -1
・ 成長性の最も重要な指標。
・ お客さんは増えているか?
・ ライバル企業業界全体の伸び率比較。


② 営業利益 伸び率
当期営業利益
前期営業利益  -1
・ 本業のもうけ、利益は伸びているか
・ 売上高とともに、バランスよく伸びているのがのぞましい。
◎ 増収・増益
△ 増収・減益
○ 減収・増益
× 減収・減益


引用:

新版 あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編 新版 あなたを変える「稼ぎ力」養成講座 決算書読みこなし編
(2006/05/26)
渋井 真帆
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3-3 金利の方向感イールドカーブ

 

長短の「期間別利回り」を結ぶと、金利の方向感が分かる

イールドカーブの動きをもとに将来の金利の変動を読み取る。

 

将来の金利の動向を見るには

イールドカーブ(利回り曲線)

 

異なる期間の金利を短い方から長い方へ結ぶ。

 

「金融市場参加者の金利観」を表わす

順イールド

右肩上がり。金利が上がると予想する人が多い。

 

逆イールド

右肩下がり。金利が下がると予想する人が多い。

 

フラットイールド

水平。金利は横ばいと予想する人が多い。

 

通常は順イールド。

90年バブル崩壊。

91年、失われた10年(不況)の始まり

→逆イールドに。

 

ギリシャでも逆イールド。

2年物38%、10年物13%

ギリシャ国債の買い手が市場でほとんど見当たらなくなった。

 

 

 

 

3-2 長期金利の動向

 

長期金利の動向を読む

長期金利の動向は、新発10年物国債の流通利回りに注目する。

 

そこから何を読み取るか。

「新発10年物国債の流通利回り」は同じ価格、期間、利率の他の債券と比べて最も低くなる。

 

→信用リスク(貸したお金が返ってこない可能性)が最も低いため。

 

→国は国民から税金を強制的に徴収する権利(徴税権)を持っている。

 

借金返済に困ったら増税ができる。

 

ゆえに、安全性が高い金融商品だとしても、金利が国債の利回りより低かったら購入するのは得策でない、と言える。

 

 

日本相互証券・・ブローカーズブローカー(BB)

債券の売買を仲介。

 

日経には、その日の最後に取引が成立した利回りが掲載されている。

 

 

 

 

 

 

3-1 短期金利の動向

 

短期金利の動向を読む

無担保コール翌日物、TIBORの動きのどこに注目し、何を読み取るか。

 

日銀 最高決定機関

「政策委員会・金融政策決定会合」

 

政策金利の誘導水準を決める。

公開市場操作を行なっているが、大きく水準を変えることはできない。

 

→日々の小さな変動を見ていても意味がない。

 

 

超低金利時代

 

95年から、15年間0%台が続いている。

理由→物価が下がり続けているから。

 

GDPデフレーター(物価水準)は15年間、前年比マイナス。

 

「15年デフレ」

 

 

日銀は「日本経済(景気と物価)は非常に弱い」と考えている。

 

 

TIBOR

銀行が他行にお金を貸す貸出金利。

 

定期預金の金利にも影響。

 

「金利裁定が働いている状態」

→異なる市場どうしの金利が、資金の出入りを通じてほぼ同じになっていくこと。

 

 

 

 

2-9 戦後の日本の金利の歴史

 

戦後の日本の金利の歴史を大づかみする

「規制金利」から「自由金利」に変わった経緯を知っておこう。

 

80年代まで、日本の金利は日銀が決める「規制金利」だった。

銀行の預金の金利や貸出金利を日銀が決めていた。

 

「公定歩合」

一般の銀行が日銀からお金を借りるときの金利

 

日銀が公定歩合を上げる↑ 銀行金利は上昇↑

 

どの銀行も預金・貸出金利は同じだった。

 

戦後、経済復興のためにお金を日本国中に行き渡らせる金融システムをつくった。

規制金利で銀行間競争をなくし銀行を倒産させないシステム(護送船団方式)

 

銀行は安全という信頼が生まれ、安心して預金できるようになった。

→企業にも貸せる。

高度経済成長を支えた。

 

73年 オイルショック。不況。

 

75年 税収落ち込み、国債大量発行。

 

銀行の国債保有高増える。

 

 

79年 国債の転売を認める。

 

転売価格と利回りは需給バランスで決まるようになる。

 

以後、金利自由化が進み

 

94年 全て完全自由化に。

自由化の結果、金利は全て金融市場の需給バランスで決まるようになる。

 

 

現在「公定歩合」→「基準貸付利率」0.3%

 

コール市場の上限の役目になる。

コール市場が0.3%を超えたら、日銀で借りた方が得になるため。

 

 

 

 

 

 

 

財務分析 8つの指標 「安全性」

8つの指標
★ 「安全性」チェック
③ 自己資本比率

自己資本(株主資本)
  総資本
お金の出どころのうち、返さなくていいお金の割合
30%が目安
・ 投資家から信頼されれば増資できる。
・ 過去の儲けが剰余金で積み重なっている。


④ 負債比率
有利子負債
 自己資本
デット・エクイティ・レシオ ( Debt Equity Ratio )
負債   資本   比率
利息が増えると営業外費用が増える
借金返さなくていいお金の比率。


⑤ 売上高 営業CF比率
営業CF
売上高
キャッシュの稼ぎ力があるか?
黒字倒産の危険性を見抜く


引用:

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(2006/05/26)
渋井 真帆
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2-8 長期金利の決まり方

 

長期金利の決まり方

長期金利は、市場の需給バランスに強い影響を受ける。

 

長期金利はどうやって決まるか

・日銀の金融政策に影響

・将来の経済見通し(予想)で決まる傾向が強い

 

景気、物価動向

よって→長期金利は将来の変化を先取りすると言える。

 

 

「将来も物価安定、金利は上がらない」という見通しが金融市場で強まる

→新発10年物国債がよく売れる

価格上昇。長期金利は低下する。

 

 

「将来インフレが進行して金利は上がる」という見通しが金融市場で強まる。

→新発10年物国債が売れない

価格下落。長期金利上昇。