7-8 米国経済の復活


経済の回復力が弱いのは
「家計の悪化」
バランスシート調整中

家計の純資産(資産-負債)は
失った資産の3分の1しか取り戻していない。
人口増なので中長期では個人消費は上向き
貯蓄率92年から低下。
金融危機以後、反転して上昇。
92年以前の水準に戻ればバランスシート調整終了。
低金利なのでこれ以上下げられない。
→FRB 米国債の買い入れを増額(量的緩和)
→株価少し上昇。バランスシート調整に追い風。
金利低いままだと住宅ローンが借りやすく
住宅市場も回復。
ドル安続けば輸出も向上。
FRBが回復への期待感をうまくコントロールできれば
景気回復していくかも。

7-7 氷上の白クマ論

日本企業の状況
「氷上の白クマ論」
温暖化で氷がとけている。
別の大きな氷、陸地を見つけなければ絶滅。
10年 中国、バングラデシュで賃上げ要求スト

しかしまだまだ、設備投資、新規雇用の海外シフトは続く
(賃金格差はまだ大きい。海外生産、販売の動き。
新興国市場の重要性。など)
日本経済に必要な政策は
「国家としての人口対策」

7-6 政府・日銀・銀行の「泥船論」

日本の銀行が保有する国債は右肩上がり
95年 30兆→10年 142兆円(15年で約5倍)
Q:「日本の財政が危ないと言われているのに
  銀行はなぜ国債を買い続けるのか?」
A:預金で銀行に集まるお金は「円建て」
→銀行の負債は「円」
→銀行は日本政府、日本銀行と運命共同体「泥船」
将来の日本経済はどちらか
政府が財政健全化に失敗
→悪い金利上昇
→国債価値下落
消費税率大幅に引き上げ
→国の活力が大きく失われる
→銀行貸し出しが減少、経済停滞、
→資産が劣化、不良債権が増える
銀行は泥船と分かっていても他の船に乗り換えることは
しない。=ドル建てにすると価格変動リスクを負う
個人は「泥船が危ない」と思えば
他の船に乗り換えられる。
↑これが大規模に発生することを
キャピタルフライト(資本逃避)」という。
もし資本逃避が起こったら
債券市場は危機。銀行の円建て預金急減。
銀行は、国債を買う(国にお金を貸す)どころか、
貸出に回す資金確保できず、国債を大量に売る必要
(国にお金を返してもらう)に迫られる。
日本国債、日本銀行券に対して国民の信頼感(信認)が
失われると、日本経済は大きな危機に陥る。

7-5 法人税率引き下げ

10年7月 参議院議員選挙 政治公約
「デフレ脱却」「GDP成長率プラス3~5%」
→96年以降2%達成できていない
3~5%は高すぎる目標
政党の希望
・「日銀の金融政策への期待」
・「法人税率引き下げ」
日本法人税40%→5%引き下げ
「日本版HIA(本国投資法)」
日本企業の海外現地法人は稼いだ十数兆円を
内部留保として海外で保有。
  ↓
これが国内に配当金として流れる際、非課税にする。
  ↓ 
あまり効果出ず。
日本市場が暗いので、消極的
日本企業が国内に蓄積するキャッシュは多い。
「事業法人のカネあまり」
使い道
・借金返済
・M&A
・増配当
→デフレは続く
上場企業1513社中「実質無借金経営」43%
有利子負債(社債+長短借入金)(少)<手元資金(現預金+有価証券)(多)
→財務体質を良くして格付けを高め、資金調達コストを下げたい
法人減税をしても、円安になっても
生産年齢人口(15~64才)が減少し消費低迷していくので
日本企業が海外に活路を見出すという流れは変わらないだろう。
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(ひとこと)
日本企業が外に行くという流れは変わらないんだな。
キャッシュの使い道をどうしたら
デフレ脱却できるんだろう?
でも、そもそもデフレは脱却しなくちゃ
いけないものなのかな?
逆にインフレも悪いって聞くけど・・。
どちらでもない、フラットのいい状態
というのはないんだろうか?

7-4 日本経済は95年に転換

現在の日本経済の特徴
①輸出依存の景気回復パターン
②慢性的なデフレ
③超低金利の常態化
輸出依存の景気回復パターン
80年代 「貿易黒字」より「内需拡大」に目を向けた。
近年 日銀の景気回復シナリオは
内需主導ではなく「輸出主導」を掲げている。
海外経済動向や為替に左右される
→不安定
慢性的なデフレ
95年を境にインフレ→デフレに。
デフレの理由
× 日銀の金融緩和(お金を市場に入れる)が不十分
〇 実物経済の「需給バランス」が悪い
「需要」に対して「供給」が多すぎる。
超低金利の常態化
当時の主要政策金利
「公定歩合」(日銀の銀行向け貸出金利)

1%→0.5%に引き下げ
現在の主要政策金利
無担保コール翌日物(よくじつもの)金利
0.4%に引き下げ
1995年は転換点。
・生産年齢人口(15~64才)がピーク。下降の始まり。
・超低金利時代の幕開け
→今後5~10年、0%台が続くと予想される
輸出拡大の景気回復には円高は望ましくない。
日銀が利上げを急ぐと円高になるので制約がかかる。

7-3 先行、一致、遅行

先行きの景気動向 → 先行指標
②足元の景気動向 → 一致指標
③過去の景気動向 → 遅行指標
先行指標が重要
「景気動向指数」
雇用に関して
先行・・新規求人数
・一致・・有効求人倍率(求職者に対する求人数)
・遅行・・失業率
経済指標はこの「時間的性質」が大事。
(あまり報道されない)

7-1 プロの経済動向の捉え方

エコノミスト
「経済予測」予測シナリオ(料理)を作る。
景気動向」と「物価動向」を中心。
「経済指標」(材料)
・経済全体の中でどんな意味を持つか
・流れが変わるシグナルがあるか。
市場は「条件反射的な動き」をすることがある。
→根拠がなくムード、期待、「市場が考える予測シナリオ」
長く続かない。
・根拠(エビデンス)を伴っているか
・見方の行きすぎ(オーバーシュート)ではないか
自分のシナリオと外れている場合は
「経済状況の変化があり、シナリオに修正が必要なのか」
それとも
「ノイズ(一時的に市場が騒いでいる状態)なのか」を
根気良く見極める。
機械受注(企業の設備投資)
統計には「速報値」「改定値」「確定値」がある場合がある。
「アネクドート(小話)」
経済数字以外の材料。タクシー、コンビニでの聞き取りなど。
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(ひとこと)
市場に流されず、自分で考えられるように
なりたい。今はそのための毎日。

6-5 BRICS:世界経済を牽引

インド
人口12億人(中国についで2位)
(参考世界の人口ランキング
GDP114兆円(世界12位)
1人当たりGDP9万(135位)
・人口構成が若い。
・IT産業
・数学、英語に強い。

・輸出依存度が低い(約15%)
ブラジル
人口1.9億人(5位)
GDP162兆円(8位)
1人当たりGDP83万(55位)
鉱物資源が豊富
鉄鉱石埋蔵量1位、生産量2位
ルラ大統領の元経済成長
・個人消費、設備投資の内需
・資源価格の上昇で輸出に追い風
14年ワールドカップ
16年オリンピック
インフラ整備の公共事業
・日本との関係
20C前半、日本人がブラジルに移住。
現在140万人の日系人。
日本工場に出稼ぎに来ている日系ブラジル人は27万人。
ロシア
人口1.4億人(9位)(日本は10位)
GDP118兆円(11位)
1人当たりGDP84万(54位)
資源輸出に依存
原油、天然ガス
経済は資源価格に左右される。
貿易相手はヨーロッパ(独、オランダ、イタリア)
車、家電輸入。
金融危機以後、景気回復遅れている。
輸出競争力のある製造業がほとんどない。
→今後の課題
・日本との関係
日本の中古車が輸出。
政府は規制、その後撤回。

6-4 中国:世界2位の経済大国

人口13億人。(世界1位)
10年 GDP日本を抜いて世界2位に。
現在 胡 錦濤(こ きんとう)国家主席。
温 家宝(おん かほう)
→2013年 次リーダー 習 近平(しゅうきんぺい)
90 鄧 小平(とう しょうへい)「改革開放路線」
→共産党「計画経済」。一部「市場経済」を導入。
高度成長を成功させた。
OECD(経済協力開発機構)
経済成長、貿易自由化、途上国支援の3つを目的とした活動。
「先進国クラブ」中国は加盟していない。
経済成長率10%
7~8%を下回ると失業者増
政府は「財政政策」と「金融政策」をうまくかじ取りして
高成長を維持せざるを得ない。
08金融危機後、6%→48兆円の融資促進。10%に回復。
「投資主導の経済」
→民間住宅投資、企業設備投資、政府公共投資などの
「総資本形成」の数字が大きい。
★日中「政冷経熱」
政治で問題→経済に悪影響。
・尖閣諸島、日本海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突。
・中国政府、日本向けレアアース輸出停止
★米中「人民元」
米は対中貿易赤字を問題視。
→為替介入で、自国通貨「人民元」を割安な水準に抑え
輸出を有利にしている。 

米の「人民元切り上げ」の要求、中国受け入れず。
→日本の80年代~の円高不況を教訓にしている。
「米は一晩で治る薬を要求しているが、漢方で充分時間をかけて
効果がでるようにする」→段階的な切り上げを希望。
中国人民銀行(中国の中央銀行)
周小川(しゅうしょうせん)総裁
短期的に成長。中長期的には不透明。
79年~「一人っ子政策」
人口構成がいびつに。